研究成果報告書 J98B5111.HTM

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[B−51.温室効果ガスの人為的な排出源・吸収源に関する研究]

(1)CO2の排出・吸収に関する研究

�‥效詫�用変化に伴うCO2収支に関する現地調査


[研究代表者]

 

資源環境技術総合研究所環境影響予測部

●林正康

[通商産業省資源環境技術総合研究所]

 

環境影響予測部広域域間環境研究室

●蒲生稔

大気圏環境保全部大気計測研究室

●上田真吾


[平成8〜10年度合計予算額]

25,217千円

(平成10年度予算額8,061千円)


[要旨]

 熱帯アジア地域においては森林の大規模な伐採により土地利用形態が大きく変動している。伐採後の放置、農耕地化、商業作物のプランテーション等の土地被覆状態の変化による温室効果気体、特に二酸化炭素の放出・吸収の変化を現地観測により調べる。
 この場合の二酸化炭素の収支の主なる吸収・放出源は土壌と植生である。土壌から大気への二酸化炭素の放出はチャンバ法で、植生と大気の間の収支は植生の上空で二酸化炭素のフラックスを渦相関法で測定する。調査対象地域のスマトラ島ジャンビ県パシルマヤン試験林にチャンバを設置し放出速度を求めた。渦相関法による測定は調査地域としてボルネオ島東カリマンタン県ブキット・スハルトのムラワルマン大学の演習林を候補地とし、二酸化炭素濃度の観測を平成9年2月から現地担当者の協力を得て実施した。
 土壌からの二酸化炭素の放出速度は乾季で小さく雨季で大きい。この傾向は4地域について同様に見られる。皆伐焼却地は土壌が乾燥しやすいためか乾季における放出速度は他に比較して小さい。放出速度は乾季・雨季についてそれぞれ従来の調査で得られた値、熱帯湿地林、乾燥林より小さめの値である。土壌有機物のCN比と窒素安定同位体比(δ15N)を測定し、土壌面からの二酸化炭素の放出速度との対応を調べた。土壌有機物の集積は表層部に限られ、土壌有機物の無機化作用が非常に活発で、土壌有機物のδ15NとCN比との間には負の相関が認められ、分解の進んだ土壌有機物のδ15Nは高く、新鮮で易分解性画分に富む土壌有機物のδ15Nは低いことが判った。土地利用/被覆が異なる土壌面からのCO2放出速度は、土壌有機物のδ15Nに対応した。このことは、土壌面からのCO2放出速度が易分解性画分に富む土壌で高く、その指標として土壌有機物のδ15Nを利用できることを示すものと考えられる。
 植生上での二酸化炭素濃度の挙動には顕著な日変動が見られる。1998年2月から1年間の現地での測定では二酸化炭素濃度に季節的な変化は見られなかった。これは熱帯雨林の特徴であるとも言えるが、人工衛星から測定した無次元化植生指数には乾季と雨季では相違があり、それとの対応には更に継続した測定が必要である。


[キーワード]

土地利用/被覆変化、二酸化炭素放出速度、土壌有機物、窒素安定同位体比、二酸化炭素濃度