研究成果報告書 J98B0611.HTM

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[B−6.陸上生態系の二酸化炭素動態の評価と予測・モデリングに関する研究]

(1)自然生態系の二酸化炭素変動機構のモデル化と予測

�^ヾ�帯(北方)林生態系における炭素循環・収支の研究

[研究代表者]

広島大学総合科学部自然環境研究講座

●中根周歩

[広島大学]

総合科学部自然環境研究講座

●土谷彰男、高山勉、小川晶子、鈴木雅代

[平成8〜10年度合計予算額]

16,200千円

(平成10年度予算額5,441千円)

[要旨]

カナダ中央部、Saskatchewan州(53。401'N,105。10'W)のジャックパイン林において、土壌炭素の循環動態の調査を2年間にわたって行い、これをコンパートメントモデルで解析した。その結果、同地域のクロトウヒ林(Nakane et al.,1997)と比較して、ジャックパイン林では砂質で乾燥した土壌に加え、立木密度が低いため林床への直達日射量が多く、夏期に土壌温度が高くなっていた。そのため、Ao層や土壌中腐植の分解が速く(それぞれ8,3、0.8%yr-1)、土壌中の有機物の蓄積も少ない(Ao層:8.7、土壌腐植:20tCha-1)、炭素循環の比較的速い森林であることが示唆された。一方、北方域に広く分布するトウヒ林が温暖化環境下でその分布と構造の変化に伴って、炭素収支がどのように変動するのかを明らかにする一歩として、北限域と南限域のその植生構造を調査したところ、南限域では樹高10m〜14mの、北域では樹高5m〜10mのクロトウヒを中心に、林冠が構成されていた。また地上部現存量は、それぞれ南限域では90〜100t/ha、北域では40〜50t/haと推定され、北域の方が比較的小さな林分となっていることが判った。これは樹齢以上に、土壌凍結期間が北域で南限域と比較して約一ヶ月長く、生育期間の短いことが、樹木の成長に影響を与えているためと思われた。北域では、林床の植生は多様であったが、南限域では林床が比較的暗く、高層木を形成する樹種の実生が少なく、温暖化でクロトウヒが衰退した場合、現在の森林が一時的に崩壊する可能性も判明した。さらに、トウヒ林の光合成特性を調べるため、上層、中層、下層のトウヒ葉の光一光合成曲線を求めたところ、北域のトウヒ林の成育の抑制が光合成特性からも示唆された。