研究成果報告書 J98A0540.HTM

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[A−5.紫外線増加が生態系に及ぼす影響に関する研究]

(4)紫外線増加が野生植物に与える影響の評価に関する研究


[研究代表者]

 

国立環境研究所地域環境研究グループ新生生物評価研究チーム

●中嶋信美

環境庁国立環境研究所

 

地域環境研究グループ新生生物評価研究チーム

●中嶋信美、玉置雅紀

生物圏環境部分子生物学研究室

●佐治光、久保明弘、青野光子

環境植物研究室

●清水英幸

(委託先)

 

北海道東海大学

●竹内裕一


[平成8〜10年度合計予算額]

28,583千円

(平成10年度予算額9,514千円)


[要旨]

 白山のアキノキリンソウのうち山頂部の集団(ON)と登山口の集団(BD)に、UV-Bを照射したときの生理的な影響を検討した。1週間UV-B照射した場合BDでは葉面積成長阻害とUV-B照射量との間に負の相関が、ONでは葉面積成長阻害及びアントシアニンの蓄積とUV-B照射量との間にそれぞれ負および正の強い相関が認められ、BDよりも一定量のUV-Bに対して大きく反応する傾向があった。以上の結果から、BDとONではUV-Bに対して応答性が異なると考えられる。
 札幌及び西表島において太陽光紫外線をキュウリ子葉に曝露しDNA損傷産物の形成が起こるかどうか検討したところ、札幌より西表島での損傷産物量の方か多い傾向が見られた。さらに西表島において太陽放射によって形成されるDNA損傷量を追跡した結果、野外における太陽紫外線は、植物のDNAに損傷を与えるレベルであり、オゾン層破壊によってDNA損傷量か増加する可能性があることが確認された。
 ホウキモロコシ芽生えの光回復酵素についても検討した。その結果、ホウキモロコシ芽生えにはCPDおよび6-4PPに対する別々の光回復酵素が存在し、CPD回復酵素の誘導は光により制御されていることが示唆された。光回復酵素活性の作用スペクトルを求めると400〜420nmにピークが認められたが、この結果はこれまでに報告されている作用スペクトルとは異なり、高等植物のCPD光回復酵素は、他の生物とは異なるクロモフォーを持つ可能性が示唆された。紫外線によるフラボノイド合成の制御機構を解析するため、紫外線によってシロイヌナズナの2つのACCaseのうちどちらが紫外線で誘導されるかを検討した。その結果、a��1が主要な紫外線応答遺伝子であることを見いだした。