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[研究代表者] |
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国立がんセンター研究所がん情報研究部 |
●山口直人 |
厚生省国立がんセンター研究所 |
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がん情報研究部 |
●山口直人、金城芳秀 |
(委託先) |
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神戸大学医学部 |
●市橋正光(皮膚科学) |
宮崎医科大学 |
●井上勝平(皮膚科学) |
鹿児島大学医学部 |
●秋葉澄伯(公衆衛生学) |
産業医科大学 |
●高橋謙(環境疫学) |
24,762千円
紫外線の健康影響として注目されている皮膚がんとその前がん病変に焦点を当てて、疫学的手法による分析を行った。皮膚がん検診の成績から、紫外線レベルの高い地域では皮膚前がん病変である日光角化症の有病率が高いことが明らかとなり、わが国でも紫外線暴露が皮膚悪性腫瘍の危険因子であることを示唆する結果が得られた。また、日焼け止めクリームを使用する者では日光角化症の有病率が低いことも明らかとなり、我が国で皮膚がん予防を具体化する上で貴重な成績を得ることができた。皮膚がん死亡率の分析では、悪性黒色腫に糖かな上昇が認められたのに対して、その他の皮膚悪性腫瘍では減少傾向が認められ、今後、皮膚悪性腫瘍を罹患率でモニタリングする必要性が明らかとなった。さらに、子宮がん、白血病でも紫外線暴露レベルと地域相関が認められ、今後の研究の必要性が示された。また、個人別の紫外線暴露レベルと悪性腫瘍の発症の相関を分析する症例対照研究を実施するに当たり、皮膚のしわの数が過去の紫外線累積暴露指標として有用であることが明らかとなった。
日光角化症、皮膚悪性腫瘍、疫学、紫外線