研究成果報告書 J98A0227.HTM

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[A−2.臭化メチル等の環境中挙動の把握と削減・代替技術の開発に関する研究]

(2)臭化メチル等の削減・代替技術の開発と評価に関する研究

�Ы�化メチルおよび代替物質への人の暴露実態と影響評価に関する研究

[研究代表者]

国立環境研究所地域環境研究グループ

健康影響国際共同研究チーム

●平野靖史郎

[環境庁国立環境研究所]

地域環境研究グルーブ

健康影響国際共同研究チーム

●安藤満

(委託先)

高知医科大学

●甲田茂樹

日本農村医学研究所

●浅沼信治

[平成9〜10年度合計予算額]

7,957千円

(平成10年度予算額3,979千円)

[要旨]

 臭化メチル薫蒸を頻繁に実施するハウス農業および花卉栽培における臭化メチル薫蒸時の環境モニタリング、個人暴露測定、生物学的モニタリング、アンケート調査を実施し、臭化メチル薫蒸に伴う農業者への健康影響を検討した。ハウス全面薫蒸時の環境モニタリングによれば、ハウス解放時の臭化メチル濃度は1000ppmと急性中毒を引き起こすほど高く、解放時の個人暴露濃度も平均で57ppmと高いことがわかり、薫蒸時の臭化メチル中毒の発生が懸念された。ハウス部分薫蒸時の臭化メチル汚染は最小限にとどまるが、薫蒸剤を散布する時とビニールを剥ぐ時に、臭化メチルによる環境汚染と人の暴露が引き起こされる。
 吸入された臭化メチルは強力なメチル化作用を示し、体内で脱メチル化され、残留する臭素イオンは尿中に排泄される。動物へのモデル実験においては、尿中臭素排泄は暴露後急激に上昇し、6〜8時間後ピークを示した後徐々に低下したが、48時間後も排泄が観察された。臭化メチルは食品中に残留しているため、暴露評価にはバックグラウンド値の把握が欠かせない。臭化メチル使用時の作業者の個人暴露調査でも、暴露後尿中臭素イオンは増加し、排泄は12時間以降も観察された。
 アンケート調査では、農業者の薫蒸作業の使用量がかなり多く、ハウス開放までの日数も短かかった。そのために、薫蒸後の自覚症状をみると、2〜6%程度に眼がしみるや喉が痛い、気分が悪い等の急性暴露の症状が認められる反面、健康障害を防止するための保護具の使用状況は低かった。このような状況を改善するために、薫蒸作業において作業方法の改善実施に伴う環境モニタリングと個人暴露測定を行った結果、高濃度暴露を防げることができた。さらに、労働安全衛生教育を実施した結果、保護具の使用状況等の比率が上昇した。
 以上の結果、現状では大量の臭化メチルを使用して、農業者の健康影響という観点からも問題のある薫蒸作業ではあるが、臭化メチルの適切な使用量への削減及び適切な保護具や安全な作業方法による農業者への高濃度暴露の防止が可能となり、使用量の削減による環境への負荷低減も期待できることが判明した。

[キーワード]

臭化メチル、薫蒸、モニタリング、個人暴露、健康影響