研究成果報告書 J98A0110.HTM

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[A−1.衛星データ等を活用したオゾン層破壊機構の解明及びモデル化に関する研究]

(1)オゾン層破壊における極渦変動の影響に関する研究

[研究代表者]

国立環境研究所 大気圏環境部

大気物理研究室

●神沢博

[環境庁国立環境研究所]

大気圏環境部

大気物理研究室

●神沢博*1

地球環境研究グループ

衛星観測研究チーム

●笹野泰弘、鈴木睦*2、中島英彰*3

地球環境研究センター

●横田達也*4

(委託先)

名古屋大学 太陽地球環境研究所

●近藤豊、小池真、岩坂泰信、柴田隆、松見豊、高橋けんし

東北大学 理学部

●福西浩、村田功

*1平成10(1998)年3月までは地球環境研究センター
*2平成10(1998)年10月からは宇宙開発事業団地球観測データ解析研究センター
*3平成9(1997)年9月までは名古屋大学太陽地球環境研究所
*4平成9(1997)年3月までは地球環境研究グループ衛星観測研究チーム

[平成8〜10年度合計予算額]

127,044千円

(平成10年度予算額40,166千円)

[要旨]

 1996/1997年北半球冬においては、極渦が非常に安定で長期間持続した(南極域と類似)。そのことと関連し、北極の春のオゾン量が異常に低かった。ILASオゾンデータ、さらに、キルナのオゾンデータを活用し、1996/1997年北半球冬におけるオゾンの化学反応過程による破壊量の推定を試み、下部成層圏の2月−3月の2ヶ月で、最大約50%の化学反応によるオゾン破壊があったことを示した。北極域での1996/1997年冬および他の冬の気球による総反応性窒素酸化物(NOy)と亜酸化窒素(N2O)の観測データの解析から、脱窒(硝酸がPSCと共に落下し、NOyが成層圏から失われること)および力学輸送による混合過程が、力学過程の活発さ(すなわち極渦の強弱)に応じ、また、下部成層圏の各高度に応じ生じていることを示した。脱窒に関連して、高度約20�匱紊如�NOyの70%が損失されている例を観測した。北極域冬季の成層圏エアロゾル(極成層圏雲:PSC;Polar Stratospheric Clouds)の濃度分布、層構造、偏光特性などをライダーで観測し、PSCには光学的にみて性質の異なるいくつもの種類があることが示唆された。また、このように種類の異なる粒子がまったくランダムに混在するのではなく特徴的な構造、サンドイッチ構造をもって出現することを見いだした。成層圏のC1O濃度を測定する装置の開発を行い、その原理実証試験を行った。測定原理はC1Oを含んだ観測気体にNOガスを添加し、塩素原子に変換して塩素ランプを照射し共鳴蛍光を検出するものである。さらに気球搭載の プロトタイプモデルを設計・製作し、その運転試験を行い充分な性能で動作することを確認した。その他、ILASを中心として、ILASに呼応した南北領域でのさまざまな観測が行われ、貴重なデータを得た。

[キーワード]

極渦、オゾン破壊、脱窒、水平混合、PSC、気球観測、衛星観測