研究成果報告書 J97B1612.HTM

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[B−16 地球温暖化抑制のためのCH4、N2Oの対策技術開発と評価に関する研究]

(1) 農耕地から放出されるメタンと亜酸化窒素の発生抑制技術に関する研究

��窒素施肥土壌から放出される亜酸化窒素などの窒素化合物の発生抑制技術の開発に関する研究(国際交流研究)


[エコフロンティア フェロー]

Scottish Agricultural College(UK)

●Iain McTaggart(1996)

National Physical Laboratory(India)

●Chhemendra Sharma(1997)

[共同研究者]

農林水産省 農業環境技術研究所

環境管理部 影響調査研究室

●鶴田治雄・秋山博子


[平成8〜9年度合計予算額]

4,000千円

(平成9年度予算額 2,000千円)


[要旨]

 大気中に約310ppb存在する亜酸化窒素(N2)は、温室効果ガスの一つであり、また成層圏のオゾン層を破壊する物質である。農耕地からのN2の発生量は地球全体からの全発生量の約20%と推定されているが、アジアでのデータが少なく不確実性は非常に大きい。さらに施肥した畑土壌からは、N2だけでなく、一酸化窒素(NO)も大気中に放出されることがわかってきた。NOは、やはり温室効果ガスの一つである対流圏オゾンの前駆物質であり、また酸性雨の原因物質の一つである。現在、これらの窒素酸化物の施肥土壌からの発生量と発生原因、およびこれらのガス発生抑制技術を開発することは、緊急で重要な課題である。

 1996年度の研究目的は、異なる窒素肥料あるいは緩効性窒素肥料を使用することによって、日本の畑土壌(黒ボク土)からの亜酸化窒素(N2)の発生量の抑制効果を、室内実験から評価することであった。室内での土壌培養実験は、硝化作用あるいは脱膣作用に好都合な範囲の水分条件(土壌孔隙の水分飽和度(WFPS)が、40、55、70、85%)のもとで、一定温度(25゜C)で50日間実施した。N2の発生は、通常の硫酸アンモニウム(AS)肥料区のほうが硝酸カルシウム(CN)肥料区よりも非常に多かったので、消化作用がN2の主要な発生過程であると思われた。土壌水分量が増加すると、すべての処理区からのN2の発生量も増大し、WFPSが85%では40%の場合よりも20倍以上も大きかった。ASあるいは燐酸アンモニウム肥料(AP)を緩効性被覆肥料の形態(S−ASとS−AP)で施用した場合、通常のASと比較すると、N2の発生量はWFPSが40%と85%の処理区では減少したが、WFPSが55%では差がなく、また70%ではS−ASの処理区だけが非常に少なかった。S−ASあるいはS−APを施用すると、N2の発生の最大ピークは、NH4+−Nがゆっくり放出されたために、時期が遅くなってしかも値が減少したが、放出されたNH4+−Nが硝化されるので、培養実験のほとんどの期間中N2は発生し続けた。CNを緩効性被覆窒素肥料(S−CN)の形態で施用すると、硝化作用に利用できるのでNH4+−Nの量が非常に少なくなるので、N2の発生量はZR区からの発生量よりも多くならなかった。

[キーワード]

 亜酸化窒素、一酸化窒素、発生抑制技術、施肥方法、緩効性被覆窒素肥料