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[研究代表者] |
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国立社会保障・人口問題研究所(現 慶応義塾大学総合政策学部) ●大江守之 |
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[国立社会保障・人口問題研究所] |
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国際関係部 |
●小島 宏、今井博之 |
人口構造研究部 |
●大江守之(現 慶応義塾大学総合政策学部) |
●若林敬子(現 東京農工大学農学部)、中川聡史、清水昌人 |
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人口動向研究部 |
●佐々井 司 |
(委託先)駒澤大学応用地理研究所 |
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●佐藤哲夫(駒澤大学)・高橋眞一(神戸大学)・木村 茂(駒澤大学) |
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(財)アジア人口・開発協会 |
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●広瀬次雄、遠藤正昭、楠本 修、北畑晴代 |
30,028千円
(平成8年度予算額 9,892千円)
本研究では、アジアの人口変動メカニズムを都市化との関連でとらえるため、中国とタイのケーススタディを通して、農村における人口動態変化と都市への人口流出圧力の変化を分析するとともに、都市化が地球温暖化に与える影響を把握するため、都市化シナリオを組み込んだ地球温暖化モデルによるシミュレーションを行なった。
中国の農村では1970年代に出生率の顕著な低下が生じたが、現在に至るまで自然増加率は1%台前半で推移し、過剰人口状態をつくってきた。市場原理導入後以降、こうした人口が都市へ流入し、都市近郊の農村地域における耕地減少を引き起こしている。タイでは1960年代まで森林伐採による耕地拡大が進行したが、1970年代にはそれが限界に達したことによって、農民に潜在的な出生抑制意識が芽生え、これが家族計画の急速な普及のインセンティブとなった。また、森林のCO2の固定能力は現在のところ化石燃料からのCO2排出量を上回るが、一方では森林の減少、他方では化石燃料消費の増大があり、現在の傾向が続くとすれば、来世紀初頭には、両者が逆転すると予測される。DHS(人口保健調査)の分析からは、都市への移動が移動者の出生・健康・死亡へ直接的、間接的な悪影響を及ぼすことが見いだされた。温暖化モデルに関しては、都市化を考慮してEdmonds−Reillyモデルを改良し、二酸化炭素排出量の予測を行なった。その結果、元のモデルによる予測値よりも、GNP予測値、二酸化炭素排出量予測値が小さくなり、さらに単位エネルギー当たりの排出量が特に大きい石炭の消費が抑えられることによって、2050年における世界全体の排出量予測値は22%小さくなることが明らかになった。
アジア地域、都市化、出生率、温暖化モデル、DHS(Demographic and Health Survey)