研究成果報告書 J96D0425.HTM

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[D−4 サンゴ礁生態系の維持機構の解明とその保全に関する研究]

(2)サンゴ礁生態系に及ぼす環境ストレスの影響の解明

�ノΠ茲療效詫�用がサンゴ礁に与える影響


[研究代表者]

千葉大学園芸学部

 

●油井正昭

琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底実験所

●酒井一彦

[環境庁 自然保護局計画課]

(委託先)財団法人海中公園センター

東海大学海洋研究所西表分室

●横地洋之

海中公園センター錆浦研究所

●内田紘臣

海中公園センター八重山研究所

●岩瀬文人

海中公園センター八重山研究所

●浅井康行

海中公園センター八重山研究所

●森 美枝

千葉大学大学院白然科学研究科

●古谷勝則

千葉大学大学院自然科学研究科

●黒瀬 毅

千葉大学大学院自然科学研究科

●水嶋信文


[平成7〜8年度合計予算額]

19,044千円

(平成8年度予算額 9,512千円)


[要旨]

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 本研究では、陸域の土地状況に着目して赤土流出の危険性を検討し、サンゴヘの影響を十分に配慮した土地利用の計画策定に対する有効な資料提示を目的として、瀬底島周辺海域、黒島周辺海域、西表島網取湾周辺海域の3地域において、土地利用、平均傾斜、水系との関係など土地状況を解析した後に、赤土流出の危険度について検討した。
 樹林は網取湾地区99.3%、瀬底島地区約40.3%、黒島地区約13.2%である。集落・人工物では、瀬底島地区が8.8%で、市街地や農村集落などが見られ人為による開発が進んだ地区と言える。畑・牧草地では、黒島の約81.5%が最も高く、牛の放牧地としての利用が盛んである。平均傾斜の調査によると、瀬底島地区は、急傾斜な箇所もあるが、海岸線、満名川沿い、豊原を中心に平坦部も見られる。黒島地区は全島がほぼ平坦部である。網取湾地区は調査対象に選定した地域全体がほぼ急傾斜地である。水系からの距離調査によると、瀬底島地区で、最も離れている場所は河川から3km程である。網取湾地区では2km程である。黒島には、河川はないが、海からの距離で最も離れた場所は1.5km程である。
 赤土流出の危険度を求めた結果をまとめると、最も赤土流出の危険度の高いのは瀬底島地区であり、最も危険度の低い地域は網取湾地区である。黒島地区は両者の中間的な地区である。危険と極めて危険にランクされる危険度区分4と危険度区分5は、瀬底島地区で0.9%、32.1%を占めている。他の地区にはほとんど存在しない。この地区は採石場と開発中の土地、ゴルフ場、パイナップル畑などである。安全と比較的安全にランクされる危険度区分1と危険度区分2は、網取湾地区で合計99.6%を占めている。黒島地区や瀬底島地区の約2倍の割合を占めている。これらの地域は、平坦な樹林か、水系から遠い距離の樹林である。

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 1995年〜1996年の間、人間の土地利用がサンゴ群集に及ぼす影響を評価するため、土地開発が進行している地域として沖縄島北部の瀬底島周辺海域を、土地開発があまり進行していない地域として西表島網取湾周辺海域を、中間的な地域として石西礁湖の黒島周辺海域を選定し、各海域に5地点を設定し、環境条件とサンゴ群集の調査を行った。環境条件についてはセディメントトラップによる堆積物および採水による水質調査を、サンゴ群集については群集のモニタリングと人工定着板によるサンゴ幼生の定着量調査を実施した。環境条件では堆積物および水質(塩分濃度、SS、Tota1−N、NH4−N、NO2−N、NO3−N、Tota1−P)ともに、各海域内の地点間の差異は認められたものの、海域間に明瞭な差が認められなかった。サンゴ群集のモニタリングの結果、1995年から1996年にかけて、網取および黒島ではサンゴ群集の被度が増加傾向にあったが、瀬底では有意な減少が見られた。瀬底島でのサンゴ群集の被度の減少をもたらした一番の原因は、オニヒトデの捕食であった。これは陸域の開発が、オニヒトデの高密度の出現を促進する可能性を示唆する。サンゴ幼生の定着量は、1995年に比較し1996年に全海域で多い傾向にあった。黒島で定着量が少ない傾向があるほかは、海域間での定着量の多寡に一定の傾向はうかがえなかった。


[キーワード]

赤土、サンゴ礁、サンゴ群集、サンゴ幼生定着、水質、堆積物、土地区分、土地利用、メッシュアナリシス