研究成果報告書 J96D0424.HTM

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[D−4 サンゴ礁生態系の維持機構の解明とその保全に関する研究]

(2)サンゴ礁生態系に及ぼす環境ストレスの影響の解明

�ぅ汽鵐款明限峽老鯀甘拈己�指標の開発


[研究代表者]

東京大学大学院農学生命科学研究科  ●佐野光彦

環境庁自然保護局計画課(委託先:財団法人海中公園センター)


[平成7〜8年度合計予算額]

5,956千円

(平成8年度予算額 2,974千円)


[要旨]

 生存サンゴの被度と魚類の種数および個体数の関係を調べることによって、サンゴ礁生態系の健全度を、魚類群集を用いて指標化することができるかどうかを明らかにするため、1995年と1996年の10月に沖縄県西表島と石西礁湖で野外調査を行った。西表島においては、生存サンゴ(主に樹枝状エダミドリイシ類)の被度が0%、30%、70%、100%の各サンゴ礁に生息する成魚の種数と個体数を、また樹枝状生存サンゴの被度が5%以下、60%、95%以上の3種類のサンゴ礁に生息するチョウチョウウオ科魚類の成魚の種数と個体数を目視で計数した。石西礁湖においては、樹枝状生存サンゴの被度が5%以下、40−50%、70−80%の各サンゴ礁でみられたチョウチョウウオ類の成魚の種数と個体数を計数した。西表島における魚類の種数と個体数は、死滅サンゴ礁(被度0%)、30%生存サンゴ礁、70%生存サンゴ礁、100%生存サンゴ礁の順に増加した。また、西表島と石西礁湖におけるチョウチョウウオ類の種数と個体数も、サンゴの被度が高くなるにつれて明瞭に増加した。このように、魚類の種数と個体数は生存サンゴの被度と正の相関をもち、特にこの傾向はサンゴを専食するサンゴ食魚に顕著にみられることが判明した。チョウチョウウオ科魚類はサンゴ食魚やサンゴを餌の一部にする種を多く含み、観察も容易なので、本科魚類の種数と個体数はサンゴ礁生態系の健全度を指標化する一手段として有効であるかもしれない。特に、サンゴ食魚のミスジチョウチョウウオは、指標生物として有効である可能性が大きい。


[キーワード]

生存サンゴ、被度、魚類群集、チョウチョウウオ科魚類、指標生物