研究成果報告書 J96D0423.HTM

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[D−4 サンゴ礁生態系の維持機構の解明とその保全に関する研究]

(2)サンゴ礁生態系に及ぼす環境ストレスの影響の解明

��セディメンテーション等の環境変動がサンゴ礁に与える影響


[研究代表者]

南西海区水産研究所外海調査研究部

●藤岡義三

[水産庁 南西海区水産研究所]

外海調査研究部 生物環境研究室

●藤岡義三


[平成6〜8年度合計予算額]

8,630千円

(平成8年度予算額 2,998千円)


[要旨]

 石垣島浦底湾に設定した10定点において、ライントランセクト法とコドラート法を用いて、造礁サンゴの生態特性に関するフィールド調査を行った。
 造礁サンゴの種数、群体数、被度は、沿岸寄りから沖合礁原上へ向かうにつれ増加傾向を示した。平均被度は沖合礁原上のSt.1で85.5%を示したのに対して、沿岸寄りのSt.10ではわずか4.5%にとどまった。他の定点ではこれらの中間の値を示したが、同一定点内のわずか20〜30m離れた場所で被度が大きく異なる現象が観察された。造礁サンゴの分布様式は、St.1で一様分布〜ランダム分布、St.10で集中分布に近似した。優占する種や属は場所により異なり、沖合礁原上ではクシハダミドリイシ(A.hyacinthus)やコユビミドリイシ(A.digitifera)などのAcropora属が、やや沿岸寄りではエダコモンサンゴ(M.digitifera)などのMontipora属が、さらに極沿岸寄りではコブハマサンゴ(P.lutea)などのPorites属が優占した。浦底湾内で確認された造礁サンゴは16科56属229種にのぼった。種や群集で見られるこのような多様性は、地形の複雑さと環境勾配の幅広さに起因するものと推察された。
 濁度、透明度、塩分などの環境条件は、沿岸から沖合に向かってゆるやかな勾配がみられ、潮汐に伴って水平的にも鉛直的にも変化することが明らかになった。沖合礁原上の堆積物は比較的粗い生物起源の粒子が多かったのに対して、沿岸域のものは非生物起源の細かい粒子の割合が高かった。1993〜1994年には夏季の高水温により大規模な白化現象が確認されたが、1995〜1996年にはわずかに水温が低かったことと関連して、白化現象は全く認められなかった。
 以上の知見に基づいて、沖合域で良好な生息環境が維持されているのとは対照的に、沿岸域ではオニヒトデ食害後の造礁サンゴ群集の回復が困難であることが示唆された。


[キーワード]

サンゴ、サンゴ礁、堆積物、白化、群集