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[研究代表者] |
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水産庁西海区水産研究所石垣支所 |
●橋本和正、澁野拓郎 |
資源増殖部 |
●梅沢 敏 |
9,080千円
(平成8年度予算額 2,736千円)
近年、沖縄のサンゴ礁は、開発による赤土の流入、高水温、オニヒトデやレイシガイダマシ類による食害などの影響を受けており、造礁サンゴを中心とする生態系の崩壊が懸念されている。サンゴ礁の保全を考える上では、赤土流出の防止、食害生物の駆除、移植によるサンゴ群集の復元などとともに、現在生存しているサンゴの健康状態を把握することが重要である。
これまでに、橈脚類、マガキ、イワシの稚仔魚などで、核酸比(RNA/DNA)を成長量の指標とした研究例が報告されている。そこで本研究では、核酸比がサンゴの健康状態の指標として有効かどうか、について検討を行った。
まず、Clemmesenの方法による核酸の抽出法がサンゴに適用できるか、について検討した。そこで、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコール(25:24:1)液により核酸を抽出し、アガロースゲル電気泳動を行ったところ、DNAとRNAが抽出されていることが確認できた。また、抽出液をRNaseで処理したところRNAは分解されたこと、エチジウムブロマイドを加え蛍光光度計で測定すると核酸量が定量的に測定できたことから、Clemmesenの方法がサンゴにも応用できることが明らかとなった。また、サンゴ体内の共生藻が持つ核酸の量は無視できるほど微量であったことから、核酸比分析の際に共生藻を分離する必要のないことも明らかとなった。
アザミサンゴとエダコモンサンゴにおいて、核酸比と乾燥重量/DNAとの間に高い相関が認められた。乾燥重量/DNAは細胞あたりの乾燥重量の指数と考えられるため、核酸比はサンゴの栄養状態の指標として有効である、と考えられる。
次にアザミサンゴを自然光下と遮光下で飼育し、光の条件がサンゴに与える影響について検討を行った。その結果、遮光下において、飼育開始後4日目に核酸比、共生藻数、乾燥重量/DNAの値が有意に低下した。遮光下ではサンゴから共生藻が放出され、タンパク合成が抑制されることが推察された。また、乾燥重量/DNAの値の低下は、栄養状態の悪化を示しているものと思われる。
サンゴ、栄養状態、核酸比、乾燥重量/DNA