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[研究代表者] |
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国立公衆衛生院 地域環境衛生学部 環境評価室 ●渡辺征夫 |
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[厚生省 国立公衆衛生院] |
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地域環境衛生学部 |
環境評価室 |
●渡辺征夫 |
環境健康影響室 |
●後藤純雄 |
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仏教大学 |
社会学部 |
●溝口次夫 |
（委託先） |
(社) 国際善隣協会 |
●後藤康男、王 青躍、北村必勝 |
６２，５０１千円
（平成８年度予算額 ４３，２５０千円）
中国の主な燃料は石炭であるが、その中には数％の硫黄を含有しているものもあり、脱硫のための技術や設備の普及も進んでいないため、二酸化硫黄（ＳＯ2）を主要因とする酸性雨被害が深刻になっている。そこで、特にその影響が深刻な中国西南部の重慶市を対象として、燃料改質による酸性雨原因物質の排出抑制技術の実用化のために、評価手法や現地化まで含めた総合研究を行った。
研究に当たっては、まず、ＳＯ2などの汚染物の排出量や削減効果の評価法を家庭用コンロなどの小型炉で確立することとした。また、同時に、粉炭に消石灰などの脱硫剤や藁などの燃料改質剤を加えた、いわゆる、“バイオブリケット”の現地での製造技術の確立と、その効果を最大にする利用体制の整備や燃焼技術の探索を行った。すなわち、日本および中国で用いられている家庭用焜炉のための燃焼試験設備を作製すると共に、両国の練炭でＳＯ2、ＮＯ2、ＣＯなどの汚染物の排出係数を試験的に求めた。また、バイオブリケットの原材料〔主原料（石炭）、バイオマス（藁などの植物繊維）、脱硫剤（消石灰など)〕に関する資料収集及び現地調査を行い、それらの性状分析をして、石炭に加えるバイオマスや脱硫剤の相性と混合比率について基礎的に検討した。
また、現地の既存の成型装置の問題点を見極め、その欠点を補う石炭ブリケット製造用の高圧成型（３〜５ｔｏｎ・ｃｍ-１）の実証プラント（製造能力；１万ｔｏｎ／年）を現地の技術や機材を最大限に利用して重慶市に設置した。本プラントで試作したバイオブリケットを用いて燃焼試験を行い、従来の現地生産のブリケットと比較検討し、強度、脱硫効率（８０〜９０％）、エネルギー効率等が格段に優れていることを実証した。さらに、現地住民によるバイオブリケットの試用から、臭気や煤塵発生が少ないなど、使用上の評価も高いことを確認した。
脱硫、燃料改質、石炭、ブリケット、コンロ、燃焼排ガス、重慶