研究成果報告書 J95F0324.HTM

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[F−3 希少野生動物の遺伝的多様性とその保存に関する研究]

(2)希少野生動物の生息域外保全および増殖技術に関する研究

�つ士犹聾鏡舷�細胞の体外培養・凍結保存及び移植に関する研究


[研究担当者]

●張 一国

環境庁エコーフロンティアフェロー

●高橋慎司

国立環境研究所地域環境研究グループ 主任研究員

●渡辺 信

国立環境研究所生物圏環境部 環境微生物研究室 室長

[共同研究者名]

●大野忠夫

理化学研究所ジーンバンク室 室長

●日下部守昭

理化学研究所細胞生物研究室

●Jae Yong Han

Ph.D., Dept. of Animal Science and Technology,
College of Agriculture and Life Sciences, Seoul National University


[平成7年度予算額]

7,001千円


[要旨]

 鳥類の受精卵は大きいために、凍結保存は極めて困難であることから、その遺伝資源の保存方法として初期の生殖細胞である始原生殖細胞(Primordial Germ Cells, PGC)の利用が考えられた。鳥類のPGCを分離・培養・保存ならびに移植することにより、鳥類における遺伝資源の保存が可能となるものと考えられる。鳥類のPGCは初期胚発生において、生殖巣以外の場所に起源し、血流に乗って移住し、生殖巣に定着・増殖し、そこで配偶子を形成する。本研究では、このようなPGCの性質を利用して生殖巣に定着した後のPGC(gonadal PGCs, gPGC)の培養および移植について検討した。
 生殖巣間質細胞を培養し、均一に継代して培養1日目および5日目に、それぞれPAS染色を行い、gPGCを計測した結果、それぞれ平均868個および3347個であり、平均3.8借に増加していたことが明らかになった。継代後5日目以降の培養観察においてgPGCはさらに増殖を続け、その中には大きなコロニーを形成するものも確認された。一方、培養中のPGCを簡便で効率的な凍結保存方法を開発し、低温保存(−80℃)して融解した結果、gPGCの生存率は約65%であった。
 培養後のgPGCが生殖巣に移住し、増殖できるかを調べるために、gPGCの移植実験を行った。移植に用いたgPGCは、生殖巣間質細胞から酵素を用いない緩やかに撹拌する方法によって得られた。分離されたgPGCに対してはPAS染色によって、ほぼ純粋なgPGCであることを確認した。分離したgPGC(ドナー)を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した結果、レシピエント胚の生殖巣内に蛍光色素に標識されたドナーgPGCが観察され、生殖系列キメラになっていることが確認された。しかも、レシピエント生殖巣の中で移植後の3日間に平均約5倍に増加していた。現在、さらに培養後分離したニワトリおよびウズラのgPGCを移植し、生殖系列キメラニワトリとウズラを作製し、その後代を得る研究を行っている。
 本研究の結果を基に野生鳥類における遺伝資源の保存技術を実用化することが期待される。


[キーワード]

Primordial germ cells(PGCs)、 Chick、 Quail、 Avian、 Genetic stock