研究成果報告書 J95F0323.HTM

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[F−3 希少野生動物の遺伝的多様性とその保存に関する研究]

(2)希少野生動物の生息域外保全及び増殖技術に関する研究

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[研究代表者]

農林水産省 畜産試験場  ●塩谷康生

[農林水産省 畜産試験場]

繁殖部

胎生発育研究室

●塩谷康生・細江実佐

 

繁殖第1研究室

●枡田樽司・渡辺伸也

 

生殖細胞移植研究室

●富塚常夫・小島敏之・志水 学・居在家義昭

[農林水産省 生物資源研究所]

遺伝資源第二部 動物保存研究チーム  ●居在家義昭・菊池和弘・野口純子


[平成5〜7年度合計予算額]

11,010千円

(平成7年度予算額 3,223千円)


[要旨]

 希少野生動物絶滅を阻止するためには、生息域内における保全対策に加え、生息域外で保全し、増殖させることが必要である。家畜における繁殖技術を野生動物の保存と増殖に応用することを検討する。
 ニホンシカ(Cervus nippon)及びニホンカモシカ(Capricornis drispus)の精子を牛精液用保存液で希釈して、5℃に冷却後、0.5mlストローに封入して液体窒素蒸気で凍結した結果、融解後の精子生存性はきわめて良好であった。動物園で死亡したコアラの精巣上体から生存精子が採取できた。
 タンマー・ワラビー(Tammer Wallaby,Macropus eugenii)の胚の発育休止機構を哺乳動物胚の常温保存に応用する目的で、発育休止期の子宮より採取した子宮内膜細胞上での牛胚盤胞期胚の培養を試みたが、胚の発育休止はみられなかった。
 3頭の雌カモシカから卵胞切開法によって計70個(9〜41)、その後に細切することによって30個(7〜12)の卵子が得られた。卵丘細胞層に囲まれた卵子は50個であり、50個は卵丘細胞層を欠いていた。成熟培養後の検査では成熟率が低かった。牛の体外受精に準じて精子処理を行って媒精した結果、精子侵入卵が得られたが、卵割卵は得られなかった。有害駆除のカモシカの精巣、卵巣を採取して、体外受精が可能であるが、そのためには速やかに体内から卵巣を取り出すことが重要であることが示された。
 鶏精子を用いて鳥類精子の凍結用保存液について検討した結果、修正レイク液を用いた場合、グリセリン除去操作を行わなくても高い精子生存率及び受精率が得られた。ヤマドリ精子はレイク液、修正レイク液およびP液を用いた場合、凍結融解2時間後まで精子の正常が比較的良好に保たれた。


[キーワード]

野生動物、精子、卵子、凍結、野鳥