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[研究代表者] |
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森林総合研究所 ●三森利昭 |
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[農林水産省 林野庁 森林総合研究所] |
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森林環境部 |
治山研究室 |
●三森利昭 |
山地防災研究室 |
●阿部和時 |
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森林生物部 |
腐朽病害研究室 |
●服部 力 |
北海道支所 |
防災研究室 |
●坂本知己 |
(委託先) |
東京大学農学部 |
●佐々木惠彦・丹下 健 |
71,383千円
(平成7年度予算額 13,278千円)
熱帯林小流域におけるSS(浮遊固体物)の発生機構解明のため、ブキタレ試験地において水文・SS濃度の観測と水理実験を実施した。この結果、SS濃度は降雨強度と相関があり、流出水量とSS濃度の関係にヒステリシスが見られたが、その強度は洪水規模と関係があった。SSの強熱減量値はSS濃度と逆比例の関係にあったが、高濃度時においても依然として高い有機物含有量を示し、SSの素材が有機物を含まない河床堆積物と異なっていた。裸地における自然降雨時のSS濃度は、流水のみの場合に比べ3オーダー高く、雨滴衝撃力がSS発生の主因であった。これらの結果と水理学的検討から、森林におけるSSの発生源は渓流の近傍にあることが推察された。
試験地において約130種の木材腐朽性担子菌類が記録された。ほとんどの種類が純熱帯産、または熱帯─亜熱帯産種であった。木材腐朽菌相は基質のサイズによって異なっていることが明らかになった。小径の基質上に発生する菌は大径の基質上に発生する菌と比較してより水ポテンシャルによる影響が小さく乾燥耐性が高いことが示唆された。数種の木材腐朽菌はフタバガキ科樹木に特異的に発生することが示唆されたが多くの種類は宿主特異性を有しないと考えられた。倒木の広い範囲に同一種の木材腐朽菌がコロナイズする例が多数見られた。異なる子実体から分離した菌株は異なるクローンに属することが多く、同一木上の菌個体群はサイズの小さな多数のクローンから形成されていることが多いことが明らかになった。実験室内での腐朽試験の結果、倒木初期にコロナイズする菌の多くは高い材分解能力を持つことが明らかになった。
修復過程、SS発生運搬機構、分解、木材腐朽菌