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[研究代表者] |
国立環境研究所 生物圏環境部 ●古川昭雄 |
[環境庁 国立環境研究所] |
生物圏環境部 ●古川昭雄 |
地球環境研究グループ森林減少・砂漠化研究チーム ●可知直毅a)・奥田敏続・唐 艶鴻 |
a)現在:東京都立大学理学部 |
マレーシア農科大学 ●Muhamad Awang・Abdullah Ahmad Makmom |
(委託先)名古屋大学農学部 ●萩原秋男・小川一治 |
41,467千円
(平成7年度予算額 13,621千円)
(1)熱帯樹種の種子形成過程
熱帯の樹木の種子形成過程を明らかにする目的でDurio zibethinus Murray果実の形態特性を調べた。その結果、果実の長径と短径の間に、全生育期間を通して一定の関係が見られた。さらに、長径と短径の積と果実の容積との間に2/3則が成立することが分った。果実の容積と乾燥重量との関係は、全生育期間を通して一定で、果実の比重は果実の充実度とは関係無く一定であることが分った。果軸の断面積と果実の乾燥重量との間にも対数関係が見られた。以上の測定と解析結果より、果軸の役割は、葉からの光合成産物の転流や根からの水分の供給というよりも、果実を支持する器官と考えるべきだとの結論に達した。
大きさが異なる果実のCO2交換速度を測定した結果、果実によるCO2再吸収量は15〜45%に達した。この値は、これまでに報告されている果実のCO2再吸収量よりも低いが、果実の大きさを考えれば、果実の形成に為いて重要な役割を担っているものと推察された。
(2)ギャップでの光環境
様々なサイズのギャップにおける光量子密度を調べた。その結果、オープンエリアでの光量子密度は1000μmol・m-2・s-1を超えることもあるが、15時頃には降雨のために光量子密度が著しく低下した。低下が最も顕著であった時期には、14時以降は光量子密度が100μmol・m-2・s-1以下にまでなった。一方、比較的開けたギャップでは、12時頃と15時頃に二つのピークが見られ、このような光量子密度のピークが現れる頻度や時間はギャップの構造に起因するものと推察された。ギャップサイズが大きいと、当然の事ながら、かなりの時間にわたって光量子密度が100μmol・m-2・s-1を超し、稚樹が成長し、次世代の樹冠木に成り得る可能性が推測された。しかし、樹冠が欝閉している林床では、かなり耐陰性の高い樹種しか成長できないような低い光量子密度であった。そのような光環境下でも稚樹が枯死することはなく、成長は殆ど停止していたが、少なくとも数年は生存していた。
(3)ギャップでの稚樹の成長
熱帯林における自然更新過程を解明するために、自然状態と人為的環境下における実生の成長について調べた。自然状態における調査は、Shorea leprosulaをサイズの異なるギャップに植栽し、成長の変化を調べた。被陰処理によって人為的に光環境を変化させ、Shorea maximaの実生苗の成長、窒素含量、光合成速度を測定した。その結果、Shorea leprosulaは、ギャップの大きさが大きいほど成長が良かった。しかし、被陰実験より以下のことが明らかになった。
�〕佞涼眩粘淪�量は、強光区より弱光区の苗で高かった。
��光飽和での純光合成速度は、葉面積当たり及び窒素含有量当たりともに弱光区より強光区の苗で高かったが、両区の光合成速度の差は、葉面積当たりよりも窒素含有量当たりで縮まった。
�N婿匱�量は強光区より弱光区で高く、弱光区の苗は弱い光を効率良く利用していた。一方、光飽和値での総光合成速度は弱光区より強光区で高く、強光区の苗は強い光を効率良く利用していた。
(4)土壌中でのCO2濃度
2次林と続き畑によって裸地化した草地の土壌中でのCO2濃度分布を調べた。その結果、土壌中のCO2濃度は深くなるにしたがって増加し、深さ50cmでは大気中のCO2濃度の約100倍にもなった。また、草地での土壌中CO2濃度は、2次林のそれよりも高く、各深さで約2倍の濃度に達した。2次林と草地とでのCO2濃度差の違いは、一つには草地での焼き畑による埋没樹木の分解によるCO2の放出が考えられたが、土壌中のCO2濃度プロファイルと土壌中炭素含量とが一致しないことから、CO2供給源として別の要因を考慮する必要が有ることが示唆された。
Shorea leprosula、Shorea maxima、ギャップ、光合成、成長、種子形成、種子生長、天然更新、Durio zibethinus