研究成果報告書 J95C0322.HTM

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[C−3 酸性物質の臨界負荷量に関する研究]

(2)土壌における臨界負荷量に関する研究

�⊃肯單攵蹐砲�ける酸性物質の臨界負荷量の評価に関する研究


[研究代表者]

森林総合研究所  ●堀田 庸

[農林水産省 森林総合研究所]

森林環境部

養分動態研究室

●溝口岳男・西本哲昭・奈良一秀

   

●赤間亮夫・長倉淳子

 

土壌化学研究室

●石塚和裕・的場節子・阪田匡司

九州支所

土壌研究室

●酒井正治・稲垣昌宏・大貫靖浩


[平成5〜7年度合計予算額]

40,869千円

(平成7年度予算額 13,739千円)


[要旨]

 塩基欠乏土壌でスギを育苗し樹体内の塩基濃度の季節変動を調べたところ、苗における塩基濃度のうち、カリウムがもっとも土壌中での濃度差を反映していた。次にスギ・ヒノキ・イヌエンジュ苗を低カリウム土壌で裁培し、乾燥ストレス下で光合成遠度と気孔コンダクタンスの推移を調べたところ、スギでは低カリウム土壌の苗の方が乾燥に伴う光合成速度の低下および気孔閉鎖が遅かった。また関東周辺の社寺林のスギ・ヒノキ成木の葉中塩基濃度と土壌の交換性塩基濃度との関運を調べたところ、スギでは衰退度の高いところでは葉中のカリウム濃度が低いか、土壌中の交換性カリウム濃度が低いという傾向が見られた。土壌の酸性化の実態と土壌酸性化が根系の展開様式、量などに及ぼす影響をポット栽培試験から解析した。スギ、ヒノキの針葉樹では、pH4前後の極めて酸性化した樹幹流が常に幹回りの土に流れる結果、スギ、ヒノキで幹回りの土が酸性化していた。さらにヒノキ林では細根が表層に集中分布する傾向にあり、スギに比べて土壌酸性の影響を受けやすい森林生態系であるといえた。約1年半にわたり、ポット苗に硫酸酸性の人工酸性雨(pH2)を合計ポットあたり18750ml散布した結果、人工酸性雨散布の影響はポット上層(0〜10�僉謀攵蹐了誓�化となって現れたが、スギ、ヒノキの両樹種とも地上部に顕著な影響は認められなかった。森林土壌における酸性物質の臨界負荷量を明らかにするため、臨界負荷量推定に必要な情報の整理と検討を行った。日本の森林土壌には既に交換性アルミニウムが多い強酸性土壌が多く認められ、アルミニウム溶出を臨界点とするにはすでに臨界を越えたものが多い。酸緩衝能の予測には交換性塩基量が最も有効であるが、酸緩衝能の基準となる交換性塩基量の全国的なデータが少なく、土壌のY1や容積重を用いた土壌区分がデータ量としても有効である。森林土壌の酸性度は最表層の地質条件である第四紀の火山灰降下との関連が認められる。広域の評価を行うには立地情報としての国土数値情報のメッシュサイズをさらに検討するべきである。


[キーワード]

酸性降下物、臨界負荷量、塩基欠乏、樹幹流圏土壌、土壌緩衝能