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[研究代表者] |
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中央水産研究所内水面利用部漁場環境研究室 ●西村定一 |
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[水産庁 中央水産研究所] |
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内水面利用部 漁場環境研究室 |
●西村定一・矢田 崇・伊藤文成・山口元吉 |
漁場管理研究室 |
●内田和男 |
[水産庁 養殖研究所] |
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繁殖研究室 |
●北村章二・生田和正 |
育種研究室 |
●岩田宗彦 |
14,842千円
(平成7年度予算額 5,075千円)
コイ発生初期段階への低pHとアルミニウム(Al)のより長期間の影響を明らかにするために、受精卵から40日間にわたり観察したところ、Alが50ppbというわずかな量でも飼育水に含まれると、それほどの低pHではないpH6.0でも19日後に対照と有意な差が生じ、大きな影響を受けた。酸性環境下での生残魚の成長を実験群と対照群を同一環境で飼育し、酸性環境を耐過したワカサギとコイ艀化仔魚のその後の成長・生残を比較したが対照と差が認められなかった。アユはpH5.2において、産卵ならびに排卵が阻害された。メダカの産卵において、死亡個体が見られたpH3.9以下では産卵は停止したが、死亡の見られなかったpH4.1以上では正常な産卵が継続された。メダカの雌雄で耐酸性に差が見られ、雌の方が浸透圧調整能力が高いこと、これにコルチゾル、プロラクチンなどのホルモンが関与することが明らかになった。ニジマスの雌成熟親魚を硫酸酸性水(pH4.5)に1週間及び2週間曝露した後、搾出された卵の胚の発眼率は対照群、1週間処理群、2週間処理群でそれぞれ約100、80、0%となり、卵に損傷が与えられた。同様に、雄成熟親魚を酸性水に曝露した場合、搾出された精子と受精した胚の奇形率が2週間処理で11%にまで高まった。酸性水処理雌では、排卵した卵中の卵核胞崩壊を促し卵成熟を引き起こす17α20β―ジヒドロキシ―4―プレグンネン―3―オン量が低値を示した。いくつかの酸性条件で雌親魚を飼育した結果、卵への影響はpH5以下で現れた。また、ヒメマス雌親魚をpH5.0硫酸酸性水で飼育したところ、排卵前1週間以上酸性環境に曝されると卵への影響が現れた。雄親魚では、酸性処理によって精子形成を促進する雄性ホルモン11―ケトテストステロンが異常な高値を示した。アルミニウムの添加は、酸性化による雄親魚の精質や生理的変化への障害をさらに高めた。これらの結果より、環境酸性化はサケ科魚類の配偶子形成の最終成熟過程における内分泌機構に影響を与える可能性が示された。このことは、酸性雨等による環境酸性化は、比較的弱く短期的な酸性環境であっても、魚類の繁殖機能を低下させることを示唆している。
酸性化、魚類、産卵、配偶子形成、性ホルモン