
|
| |
|---|---|
(421Kb)
|
[研究代表者] |
農業環境技術研究所 ●横山和成 |
[農林水産省 農業環境技術研究所] |
環境生物部 土壌微生物生態研究室 ●横山和成 |
9,637千円
(平成7年度予算額 3,222千円)
環境酸性化が土壌微生物生態系に及ぼす影響をモデル環境と自然環境について評価した。モデル環境での酸性化では、モデル土壌(pH6.1)に人工酸性雨(0.25mMの塩酸、硝酸、硫酸の混合液、pH3.5)を処理し、処理直後(24時間後)と長期間の静置後(1年間)、土壌細菌集団に現れる影響について調査した。人工酸性雨を処理した土壌の細菌群の多様性は、処理直後、対照土壌(殺菌蒸留水処理)の56%と激減し、長期間の静置により次第に回復し、1年後には対照土壌の85%まで回復した。これに対して、分離される細菌の利用炭素源数では、処理直後に対照土壌の30%と激減したものが1年後においても44%までしか回復しなかった。このことから、人工酸性雨のモデル土壌細菌集団への影響には多様性の減少と利用炭素源数の少ない菌種が優先する集団へのシフトとの両面が考えられ、シフトした細菌集団は長期にわたり維持されると考えられた。自然環境での酸性化の土壌微生物への影響に関しては、青森県恐山に存在する酸性化土壌の細菌集団と糸状菌集団の菌数と多様性を調査した。その結果、生菌数で見た場合、酸性化の進行とともに細菌が減少し、糸状菌が増加した。これに対して、多様性では細菌、糸状菌ともに減少し、酸性化が土壌微生物生態系を広範囲に単純化する恐れがあることが示唆された。
酸性化土壌、土壌微生物、多様性評価、単純化、炭素源利用能