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[研究代表者] |
国立環境研究所環境健康部環境疫学研究室 ●小野雅司 |
[環境庁 国立環境研究所] |
環境健康部 環境疫学研究室 ●小野雅司 |
(委託先)株式会社ケー・シー・エス |
40,589千円
(平成7年度予算額 13,397千円)
地球の温暖化による重大な健康リスクが懸念されているマラリアについて、温暖化に伴う東アジア地域における分布域の拡大予測を行うことを目的に、国外のマラリア流行地での疫学調査と、国内外で媒介蚊の生態調査を行った。
熱帯熱マラリアの主要媒介蚊であるコガタハマダラカは、我が国では宮古島を北限とし、沖縄本島以北には分布しない。宮古島と沖縄本島の間には1.4℃、同じく名瀬との間には2.6℃の温度差しかなく、平均3℃といわれる温暖化により、本種は奄美大島あたりまで生息分布域が拡大すると考えられ、十分な警戒が必要と考えられる。
マラリア流行地区における患者発生消長の閾値温度(平均気温:三日熱マラリア17℃、熱帯熱マラリア24℃)と、地区ごとのマラリア流行に係る閾値温度(年平均気温:三日熱マラリア17.5℃、熱帯熱マラリア20℃)が明らかになった。また、降水量に関しても、熱帯熱マラリアで年間降水量1000�伉�度の閾値と、至適降水量(月間降水量)が認められた。
気象条件以外の流行拡大要因として、マラリア原虫の薬剤耐性について検討した。海南島での調査により、かってch1oroquineに耐性を示した同島で、同剤の使用停止後ほぼ10年たって感受性が回復していることから、マラリア流行地における原虫の薬剤感受性モニターと使用薬剤の調整により、原虫の耐性獲得の遅延あるいは感受性の回復の可能性が示された。
これらの調査結果により、マラリア流行や媒介蚊の生育を規定する要因のいくつかが明らかになった。特に、気温に関しては明確な閾値が確認できた。現在、これらの結果に基づいて、地球の温暖化に伴う東アジア地域におけるマラリア流行域の予測図を作成しているところである。
マラリア、コガタハマダラカ、気温、降水量