研究成果報告書 J95B1222.HTM

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[B−12 地球の温暖化が植物に及ぼす影響の解明に関する研究]

(2)山岳地における植生帯の移動条件に関する調査研究

��熱帯地域における調査研究


[研究代表者]

農林水産省森林総合研究所海外森林環境変動研究チーム  ●北山兼弘

[農林水産省 森林総合研究所]

海外森林環境変動研究チーム  ●北山兼弘

(委託先)

財団法人自然環境研究センター

 

(京都大学生態学研究センター  ●菊沢喜八郎)


[平成7年度予算額]

9,241千円


[要旨]

 地球温暖化の森林に与える影響を解明するため、ボルネオ島の高山キナバルの湿潤な斜面を利用して、高度別に土壌窒素の無機化速度と樹木葉の寿命を調査した。湿潤熱帯山岳では温度の季節変化がなく、標高につれて温度が予測的に減少するために、温度を関数として森林の変化を研究することができる。堆積岩と超塩基性岩起源の土壌を異なる温度(高度)下で培養したところ、土壌窒素の無機化速度はどちらも温度を関数として有意に変化した。堆積岩土壌では温度が10度C上昇すると、無機化速度は1.7倍(温度係数)になったが、超塩基性岩土壌では上昇率は極めて低かった。以上から、温暖化の森林生態系への影響は地質によって異なり、超塩基性岩のような特殊な地質が森林を制限する場合、温暖化の無機化への影響は比較的少ない;どちらの地質でも、高地と比べて高温下にある低地ほど温暖化の影響が大きいことが示唆された。また、調査の結果、どの標高も常緑性の樹木で被われているが、樹種別に見ると葉の寿命が1年より長い樹種と短い樹種が存在することがわかった。高度分布の広い種Schima wallichiiでは、標高が高くなると葉の寿命が長くなる傾向が認められた。これらの結果は、温度季節のない湿潤熱帯山岳における葉の寿命のモデル予測を裏付けるものであった。


[キーワード]

土壌窒素、純無機化速度、温度係数、熱帯山岳、植物季節、葉の寿命、常緑性