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[研究代表者] |
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建設省国土地理院地理調査部地理第二課 ●金子純一 |
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[建設省 国土地理院] |
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地理調査部 地理第二課 |
●小野塚良三・内川講二・永山 透・大塚 力・稲澤保行 |
(委託先) |
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東京大学生産技術研究所 |
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第5部 |
●柴崎亮介 |
45,217千円
(平成7年度予算額 14,768千円)
地球の温暖化にともなう海水面上昇が懸念されている。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第2次評価報告書サマリーによれば、紀元2100年までに数十センチ程度の海水面上昇が全世界で起こるとしている。さらに、海水が熱平衡にいたる応答速度が遅いため、2100年以降も海水面上昇が持続すること、また海水面上昇量の予測の精度が高くないため、場合によってはこの予測以上の上昇も起こりうることが指摘されている。
海水面上昇が起こることで、全世界の沿岸低地では洪水や高潮の頻発、それから湿潤化や塩水侵入がおこるとされている。都市部等では防御施設などの建設により現在の土地利用を守ることはおそらく可能である。しかし、それ以外の地域では海水面上昇の浸水域からの撤退も避けられないだろう。
当研究では、日本の新潟平野およびタイのバンコク地区を対象にして、1メートルの海水面上昇が起こった場合を想定し、浸水域の範囲を推定した。さらに、海水面上昇に付随する低地の地下水位、河川水位の上昇、塩水の内陸への侵入などについて予測し、それらが地域の土地利用に与える影響を土地利用の適性度を把握することによって見積もった。さらに、浸水域の土地利用を代償するかたちで、土地利用の適性度に適ったかたちでの土地利用の配分を行った。
当研究は海水面上昇による影響への対応として、土地に備わった適性を生かしつつ、沿岸域の土地利用の再配分を試みた例であると位置づけられる。
海水面上昇、土地利用、沿岸域、新潟、バンコク