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[研究代表者] |
(財)海洋生物環境研究所 ●能勢健嗣 |
[環境庁 国立環境研究所] |
(委託先) |
(財)海洋生物環境研究所 ●能勢健嗣・中村幸雄・馬場将輔・山本正之・辻 雅明 |
13,241千円
(平成7年度予算額3,724千円)
この研究は、オゾン層破壊による紫外線増加が海生生物や海洋生態系に与える影響を予測、評価するための基礎的知見の一つとして、海藻類における紫外線耐性や紫外線照射に伴う藻体の紫外線耐性の変化を検討した。明暗周期を設定して明期のみ紫外線を照射する紅藻類の培養実験を通して、漸深帯のタオヤギソウ C.wrightiiでは、短期的影響として照射開始直後〜12時間目までに光合成色素と紫外線吸収物質の減少が見られ、長期的影響として第2明期の紫外線照射の経過に従って光合成色素の減少、紫外線吸収物質の増加、成長速度の低下が見られた。一方、飛沫〜潮間帯のウップルイノリ P.pseudolinearisでは、第1明期の紫外線照射開始直後に一時的に低下した成長速度が第3〜4明期以降には回復し、ほぼ同時に紫外線防御機構への関与が議論されている紫外線吸収物質含量が上昇傾向を示したことから、紫外線吸収物質の増加による馴化機能の存在の可能性が示唆された。天然群落内に生育する藻体における紫外線吸収物質含量の分布を測定し、漸深帯で草原様群落を形成するタオヤギソウ C.wrightiiでは、基部付近より先端部に近い方において高い濃度で紫外線吸収物質が含まれており、微細環境としての紫外線強度の変化に対応するとともに、分裂組織への防御機構として紫外線吸収物質含量を上昇させている可能性が示唆された。先行して紫外線を照射した海水を培養液とした紅藻類の培養実験を通して、一定期間以上照射した海水では成長速度の低下や紫外線吸収物質含量の増加が見られ、紫外線照射に伴う亜硝酸濃度の上昇と他の未知の海水性状の変化が影響している可能性が示唆された。
海藻、紫外線、成長、光合成色素、紫外線吸収物質