
|
| |
|---|---|
(910Kb)
|
[研究代表者] |
|
国立環境研究所 |
●井上 元 |
[環境庁 国立環境研究所] |
|
大気圏環境部 |
●井上 元 |
(委託先) |
|
東京大学 |
●富永 健、巻出義紘 |
北海道大学 |
●川崎昌博 |
35,755千円
(平成7年度予算額11,684千円)
成層圏オゾン層破壊をもたらす特定フロン(CFC:Chlorofluorocarbons)やハロンは全廃の方向で国際的な規制が進んでいる。その代替物質としてHCFC(Hydrochlorofluorocarbons)、HFC(Hydrofluorocarbons)、HBFC(Hydrobromofluorocarbons)など代替物質の開発が行なわれているが、それらの大気中における挙動の解明は代替物質の環境影響評価に不可欠である。
わが国で消火剤として開発された代替ハロンである(CF3CF2)3Nおよび半導体部品の洗浄用の代替フロンであるフッ化アルコールの環境中での寿命を評価するために、対流圏での主要な反応除去プロセスであるOHラジカルとの反応速度と、光分解速度を評価するための吸収スペクトルの測定を行った。その結果、フッ化アルコールは通常のアルコールから類推される反応速度を持つことがわかったが、代替ハロンである(CF3CF2)3Nは測定の誤差内で反応しないことが判明した。代替ハロンの光吸収スペクトルは、アミン系に共通の吸収帯が短波長にシフトし近紫外には全く吸収が無く、成層圏下部に漏れる210nm帯の吸収も大変弱いことがわかった。このため、この代替ハロンは上記の均一反応の他に不均一反応による除去過程が無いとすれば、きわめて長い対流圏寿命を持つことになる。
ついで、代替フロンの代表であるHCFC−22のECDによる高感度化分析法を開発・確立し、実際にHCFC−22の南北両半球中におけるバックグラウンド濃度を高精度に測定し、大気中濃度の変動を解析し、2−Boxモデル計算により、それらの大気中の寿命などの挙動と国際的規制に伴う放出量の変化などの動向を明らかにした。生産統計・放出推定値が不十分であり、大気中濃度の測定結果からは、統計放出推定値を上回ってHCFC−22が放出されてきたことが明らかになった。さらにきわめて最近になって、その増加率が減少し、HCFC−22についても、放出量が次第に減少する傾向が初めて見出されている。これまでのHCFC−22および新しい代替フロンHFC−142bなどの大気中濃度を、新たに、大気からの低温濃縮/GC/MS法による検出・定量法についても開発を進めた結果、高精度で測定できるようになり、都市大気中におけるこれら代替フロンの大気中濃度ならびに経時変化を測定した。代替ハロンについては、候補として上がっていたHBFCは国際的に規制されることに決定しており、まだ代替物質で実用化されているものがないことから、代替ハロンについては大気中の検出・濃度測定には至らなかった。
フロン代替物質、ハロン代替物質、対流圏寿命、成層圏オゾン