研究成果報告書 J94D0212.HTM

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[D−2.海洋汚染物質の海洋生態系への取り込み、生物濃縮と物質循環に関する研究]

(1)海洋汚染物質の物質循環と発生源に関する研究

�⇒�害金属・化学物質の海洋底質への蓄積と挙動の予察的研究


[研究代表者]

資源環境技術総合研究所  ●宮崎 章

[通商産業省 工業技術院 資源環境技術総合研究所]

水圏環境保全部

●宮崎 章

水圏環境保全部 水質計測研究室

●富永 衛・木村 明・田尾博明・今川 隆・山下信義

(委託先)

愛媛大学

●立川 涼

通商産業省 工業技術院 地質調査所

地殻化学部 地球化学課

●寺島 滋・今井 登

海洋地質部 海洋底質課

●片山 肇・中嶋 健・池原 研


[平成4年度〜6年度合計予算額]

40,648千円(6年度当初予算額 13,821千円)


[要旨]

 有害金属・化学物質の海洋底質への蓄積状況と挙動を解明するため、日本海を中心とする海底質を採取し、有害物質の測定を行うとともに、未知汚染物質の検索を行った。有害金属に関しては、秋田県〜石川県沖の水深2500m程度までの海域を対象として系統的に採取した表層・柱状堆積物におけるHg、As、Cr、Cu、Pb、Zn等の蓄積と挙動について研究した。人為的な影響が最も顕著に認められる元素はHgであり、バックグラウンドレベルの約20倍に達する試料もあった。As、Pb、Zn等に関しても人為的な影響が認められるが、「汚染」として問題になる濃度ではなかった。有害金属の蓄積と挙動を支配する要因としては、人為的影響の他に地域の地質特性、海底地形、水深、堆積物の粒度組成、続成作用に伴う移動・濃集、生物濃縮等が重要であることが明らかになった。有機ハロゲン化合物に関しては、未知の有機ハロゲン化合物を有機態ハロゲンと既知有機ハロゲン化合物の差として評価した。日本海底質の有機態ハロゲン濃度は大阪湾の10分の1以下であり、相対的に汚染が低いことが示された。しかし、有機態塩素に占める既知の人工有機塩素化合物の割合はいずれも10%以下であり、底質中に存在する有機能ハロゲンの多くは未検討の成分であった。これは今後の詳しい調査が必要であることを示している。一方、東京、多摩川河口底質は大阪湾同様、非常に高い有機態ハロゲン濃度が検出され、人間活動の影響を強く受ける沿岸底質が、有機態ハロゲンの海洋における蓄積の場となっていることが明らかとなった。有機態ハロゲンの分子量分画によるキャラクタリゼーションの結果、有機態塩素、ヨウ素は比較的分子量の大きい、例えば土壌有機物などと結合しているが、有機態臭素は比較的分子量の低い分子として存在していることが推測された。


[キーワード]

海洋汚染、底質、有害重金属、有害化学物質、未知汚染物質