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[研究代表者] |
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農業環境技術研究所環境管理部 |
●鶴田治雄 |
[農林水産省 農業環境技術研究所] |
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環境管理部影響調査研究室 |
●鶴田治雄・八木一行 |
●神田健一(平成2〜5年度:現九州農業試験場) |
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環境資源部大気保全研究室 |
●野内 勇・細野達夫 |
資材動態部多量要素動態研究室 |
●尾和尚人(平成2年度:現肥料動態科長) |
●樋口太重(平成3〜4年度) |
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●杉戸智子(平成4年度:現北海道農業試験場) |
農林水産省国際農林水産業研究センター |
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環境資源部 |
●加藤邦彦(平成5〜6年度:現農業生物資源研究所) |
79,974千円(平成6年度予算額 17,852千円)
水田から大気中に放出されるメタンのフラックスを、日本、タイ及び中国で測定した。栽培期間中のメタンフラックスの季節変化は、常時湛水区では、日本では栽培初期から後期にかけて次第に増加する変化を示したが、タイではその他に栽培初期から大きい場合があった。日変化は両地域とも、午後の早い時間帯に最大となり夜間は低く一定であったが、その振巾はタイのほうが2倍も大きかった。さらに、水田からのメタンフラックスを自動で連続的に測定する装置を開発し、日本の水田で3年間使用することにより、フラックスの詳細な変化が明らかになった。これらの実測から推定した日本とタイにおける水田からのメタン発生量は、それぞれ、0.26、3.7TgCH4/yearであった。水田からのメタン発生要因として、土壌の化学的性質が非常に重要であり、土壌の還元容量と酸化容量との差と、土壌の培養実験でのメタン生成量とが正比例関係にあった。また、水管理もメタンの発生に大きく影響を及ぼし、日本で通常行われている中干しなどの水管理をした間断潅水区は、常時湛水区と比較してメタンの発生が45%も少なかった。また、水稲体を通してのメタンフラックスを、1茎あたりの伝導度を用いてモデル化し、モデル式から計算したフラックス値と実測値とがよく一致した。異なる窒素肥料を施用した土壌からの亜酸化窒素の発生量は、有機質肥料、硫酸アンモニウム、緩効性窒素肥料の順に多かった。また、アンモニア態窒素肥料のほうが硝酸態窒素肥料よりも、亜酸化窒素の発生量は多かった。なお、施肥土壌からは、亜酸化窒素と同時に一酸化窒素も発生し、一酸化窒素のほうが発生量が多かった。さらに、水田土壌で、メタンとともに亜酸化窒素のフラックスを年間を通じて測定した。その結果、亜酸化窒素は、メタンが発生していた湛水期間中は発生も吸収もみられなかったが、メタンが発生しなくなる最終落水後から翌春の再湛水時までの8ヶ月間、連続して水田土壌から発生していた。
メタン、水田、亜酸化窒素、施肥土壌、発生量