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課題名 |
D-4 ペルシャ湾岸の原油汚染等が海洋環境に及ぼす影響の評価に関する研究 |
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課題代表者名 |
安岡 善文 (環境庁国立環境研究所社会環境システム部情報解析研究室) |
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研究期間 |
平成3−5年度 |
合計予算額 |
65,787千円(12,013千円) |
研究体制 (1) ペルシャ湾沿岸域における流動と物質移動過程に関する研究(海上保安庁水路部) (2) 原油水溶性分画が海洋生態系の構成生物に及ぼす毒性の評価に関する研究 (水産庁中央水産研究所) (3) 衛星リモートセンシングによる沿岸域生態系の影響評価に関する研究 (環境庁国立環境研究所) |
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研究概要 平成3年1月25日頃ペルシャ湾に流出した原油は、キングファハド石油鉱物資源大学の推定によれば300〜400万バレルに達する、歴史はじまって以来の大量の原油流出事故であった。湾岸諸国の沿岸にはマングローブやサンゴ礁の群生地があり、ウミガメ、ジュゴン等野生生物も多く豊かな生態系が生息している。流出原油は流出後、微生物による分解を受けながらも最終的にはタールボールとなり、湾内を沈降・浮上を繰り返しながら漂流する。このため長期間にわたってペルシャ湾内、特に底生生態系に影響を与えることが危倶されている。 本研究ではペルシャ湾内の流動、外洋との流動交換等を解析し流出原油の挙動解析を行うとともに、原油水溶性画分による海洋生物への毒性評価、リモートセンシングによる沿岸域生態系への影響評価を試みた。
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研究成果 1)チグリス・ユーフラテス川の河川流入、風、海表面からの蒸発、潮汐を考慮した3次元流動モデルを開発した。表面からの蒸発による水分損失は、河川流入とインド洋からの流入によりバランスしていることが判明した。又、流出原油の分布予測値は観測値と定性的に一致した。 2)海洋観測資料解析からペルシャ湾の海洋構造の季節変化の把握を行い、その水塊移動を見いだした。 3)低沸点成分(ベンセン、トルエン、ナフタレン)のマダイとクルマエビに対する24時間半数致死濃度を明らかにした。又、高沸点有機硫黄化合物(ジベンゾチオフェン)によるマダイ・クルマエビに対する急性毒性値及び体内蓄積・濃縮性を明らかにした。 4)高空間分解能画像データであるLANDST TM画像データからの海面流出油の検出手法を開発し、サウジアラビアジュベイユ地域において原油流出時に観測されたTM画像に適用することにより、油汚染域の評価及びその拡散域の評価を行った。
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