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[研究代表者] |
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機械技術研究所 ●龍江義孝 |
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[通商産業省 工業技術院機械技術研究所] |
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基礎機械部 |
●龍江義孝 |
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基礎機械部 |
移動機械課 |
●清水健一、白井信正、岩月 徹 |
33,873千円
(平成5年度予算額 11,475千円)
我国の二酸化炭素の総排出量の20%弱を占める自動車からの排出を抑制するために、低公害車である電気自動車の普及が急務となっているが、その利用技術が未確立であるため普及が阻害されている。本研究では、電気自動車を利用する上でその運用経費を大きく左右する充放電時の管理方法について検討し、あわせて、普及を円滑にするうえで不可欠な保守・整備の合理化をはかる方法について検討した。
稼働中の電池の端子電圧と電流値を常時観察して、電池特性を代表する主要なパラメータである起電力と内部抵抗によって電池の残存容量を推測する残存容量計を試作した。単一電池の充放電試験の結果、残存容量そのものの表示ではないが電池の活性度をよく表現しており、充電時の情報を加味して運用すれば実用可能であることがわかった。
また、種々の電圧と容量の電池に対応するため、ユニット化した充電ユニットを充電条件に応じて柔軟に組合せる充電システムを試作し、基本的な特性を把握した。試用中の電気自動車の充放電効率を調査したところ充電量が少ないほど効率が悪化する傾向が判明し、充電末期の微小電流での充電時の効率が悪いことが原因と判った。充電電力に応じて、最適容量の充電ユニットを使用することで効率の向上をはかった。
試用中の電気自動車のデーターの検討から、充放電サイクル数に比して電池の容量低下が早い傾向があり、この原因が、組電池内の一部の電池の容量が極端に低下していることにあることを確認した。電池内のこのアンバランスは、本来の電池特性のアンバランスや電池の温度差によって生じ、一度生じると偏差拡大的に大きくなる。このため、組電池内の個々の電池の特性を把握して、このアンバランスをあるレベル以下に抑えることが不可欠である。
電気自動車、電池、充電、保守、残存容量