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[研究代表者] |
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森林総合研究所北海道支所 |
●高橋邦秀 |
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[農林水産省 林野庁 森林総合研究所] |
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北海道支所 |
造林研究室 |
●金澤洋一・大澤 晃・九島宏道 |
樹木生理研究室 |
●小池孝良・田淵隆一 |
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土壌研究室 |
●太田誠一・松浦陽次郎・真田 勝 |
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天然林管理研究室 |
●猪瀬光雄 |
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東北支所 |
土壌研究室 |
●佐々朋幸 |
林業経営部 |
遠隔探査研究室 |
●鷹尾 元 |
生産技術部 |
物質生産研究室 |
●石塚森吉 |
38,704千円
(平成5年度予算額 14,129千円)
ヤクーツク市郊外に設定されたスパスカヤパイト試験地とアラス試験地でシベリアタイガの二酸化炭素貯留量とその収支を推定するために、林分調査、バイオマス調査、年輪解析、土壌調査、樹木のガス交換能の測定、二酸化炭素フラックスの測定手法の検討等を行った。
ヤクーツク周辺のタイガの主要構成樹種はカラマツ、ヨーロッパアカマツ、シラカンバの3樹種であり、年間成長量は日本の1/3前後である。代表的なカラマツ林のバイオマスは、葉量で1.7ton/haと非常に少なく、幹に対する根の量はおおよそ1/1となり、相対的に根量が多い形態となっている。葉量を除いた地上部バイオマスは122ton/ha、下層植生やリターを含めたバイオマスは約36ton/ha、地下部バイオマスはおおよそ100ton/ha、下層植生も含めたカラマツ林の年間生産量は約3ton/haとなった。この林分の二酸化炭素貯留量は約450ton/ha、年間の二酸化炭素固定量は約5.4ton/haとなる。レナ川左岸の森林土壌における活動層の厚さは110〜180cmとなり、カラマツ林で浅く、アカマツ林で深い傾向を示しているが、レナ川右岸のアラス草地の活動層は250cmを越えるものもある。土壌中の全炭素貯留量は、左岸の林内でおおよそ85〜200ton/haとなり、アカマツ林<シラカンバ林<カラマツ林の傾向を示した。右岸のアラスではカラマツ林で50〜85ton/ha、平坦草地では340〜420ton/ha、底部の湿地では700ton/haを越えている。土壌pHは6〜10と高く、下層ほど高い傾向を示した。カラマツの年輪解析から成長に30年周期が認められたが、最近100年間の成長曲線からは大気中のCO2上昇の影響は認められない。また、年輪には森林火災による痕跡が認められた。乾燥気候のためカラマツ、アカマツの光合成速度は日中の低下が大きいが、早朝や夕方には8mgCO2/hr/gr前後の値を示し、水分条件の良いシラカンバは20mgCO2/hr/grを示した。
シベリアタイガ、バイオマス、年輪解析、土壌炭素、光合成