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[研究代表者] |
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国立環境研究所 ●井上 元 |
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[環境庁 国立環境研究所] |
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地球環境研究グループ温暖化現象解明研究チーム |
●井上 元、野尻幸宏、向井人史、町田敏暢、マクシュートフ |
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大気圏環境部 大気動態研究室 |
●泉 克幸、内山政弘、松井一郎、光本茂記 |
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東京大学理学部地殻化学実験施設 |
●遠嶋康徳、脇田 宏 |
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東京ガス・インフォメーションテクノロジー研究所 |
●山本和成、田井秀男 |
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地球・人間環境フォーラム |
●野尻知子、萩原富治 |
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(委託先) |
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千葉大学 隔測研究所 |
●竹内延夫 |
43,088千円
(平成5年度予算額 15,787千円)
大気中メタンの発生源は、人為発生源と自然発生源に大きく分類されるが、バックグランド値としての自然起源のメタン発生量を明かにすることは、地球規模でのメタン収支を明かにする上でも極めて重要である。西シベリアには世界最大規模の湿地があるが、ここでのメタン発生の観測の例はなく、実際に測定することが重要である。
92年と93年の夏に航空機によるメタンの広域濃度分布測定を西シベリアと東シベリアで行なった。その結果、メタン濃度の高度分布はその地域のメタン発生量に強く依存している事が分かった。メタンのフラックスを測定する目的で、メタン濃度の高度分布と渦拡散係数の測定を航空機で行なった。このような方法によるフラックス測定は熱や水蒸気については多く行われているが、メタンについては始めてのものである。フラックスの空間変動、時間変動を測定したが、数十kmスケールでの植生、水位、表面温度など複雑な地上の状況を反映していることが判明した。また、夜間には強い逆転層が発生していることが分かったので、ここに蓄積されるメタンの量を推定し、夜間の平均的なメタンフラックスを求める試みも行なった。地峡でのメタン濃度の連続測定を開始したが、その結果によると冬期でも無視できないメタンの放出がある可能性がある。
シベリア、メタン、温暖化、発生量、湿原