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[研究代表者] |
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国立環境研究所 |
●古川昭雄 |
[環境庁 国立環境研究所] |
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生物圏環境部 上席研究官 |
●古川昭雄 |
地球環境研究グループ 森林滅少・砂漠化研究チーム |
●可知直毅、藤間 剛 |
(委託先) |
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マレーシア森林研究所 |
●H.T.Chan Kheong Son Yap Nor Azman Hussein |
マレーシア農科大学 |
●Muhammad Awang |
21,484千円
熱帯林生態系の生物種を調査し、生息密度や樹種構成、植物の生理機能等を調査、測定して熱帯林生態系の有する特有な現象を把握するには、そこでの環境特性を的確に把握する必要がある。一方、熱帯林を構成する林冠木は、森林内の微環境を生み出す最大の要因であると同時に、個体周辺の環境に反応して成長速度を変化させる。計測機器によって測定される物理的な環境要因のなかで何がどのように生物個体の成長に反映するか知ることは、生物種自身が自己の生存に好適な環境を作り出しているとする適適応論的な仮説の検証のためにも不可欠である。そこで、熱帯林内外の微気象要因の測定を行うと共に、熱帯林構成樹種の成長過程のモニタリングとして、デンドロメータをもちいた直径成長の継続測定、林床部および林冠部のシュートの伸長成長、葉の展開・脱落過程に関する調査を行った。
本研究では、林冠部の葉群動態についても研究を行なった。葉量と能率はトレードオフの関係にあるために、どの程度の能率の葉をどの程度の期間つけているかは、その種の生存戦略と密接に関わっているとされている。熱帯においても葉の展開と落葉については調査されてきているが、主として双眼鏡による地上からの観察をもとにしたものである。そのような地上からの観察では、一年のうちどの時期に葉が展開するか、落葉するかは把握できても、一枚の葉がどれだけ生存しているかを明らかにすることはできない。そこで、パソーに建設されたCanopy Walkwayを利用して、個葉レべルで葉の消長を追跡した。
環境形成、Canopy Walkway、直径生長、樹冠部、フェノロジー