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[研究代表者] |
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農業環境技術研究所 |
●原田二郎 |
[農林水産省 農業環境技術研究所] |
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環境資源部 大気保全研究室 |
●野内 勇、細野達夫 |
土壌保全研究室 |
●麓多門、岩間秀矩、真弓洋一 |
水質特性研究室 |
●芝野和夫、大嶋秀雄、岡本玲子 |
環境生物部 植生生態研究室 |
●佐藤光政、小泉 博、宇佐見洋三 |
保全植生研究室 |
●根本正之、大黒俊哉、堀江秀樹 |
23,906千円
人工酸性雨処理による可視被害発現や光合成速度低下の程度に種間差が認められ,光合成低下の主要因はクロロフィルの低下による.
人工酸性雨のpHと収量とのドース・レスポンス関係は,pH3.0(水稲は2.5)以上では乾物重低下は認められず,それ以下では,酸性度に従って乾物重が減少する.その低下度合により農作物は4グループに分けられる.
人工酸性雨による可視被害発現は花卉類の花弁部が葉部より感受性が高く,種間差の外に品種間差も認められる.酸性雨とO3の短期暴露は,司視被害に関して極度の低pH及び高O3濃度条件下では一部の種で交互作用がみられるものの,現在観測される濃度条件下ではO3の影響は極めて軽微であると考えられる.
土壌の酸性緩衝能の主体は交換性塩基とのイオン交換であり,塩基飽和度が3%以下に低下した時点でAl3+が溶出する.アロフェン質土壌はSO42+吸着力が強く,非アロフェン黒ボク土と赤黄色土では脱窒によるNO3-消失作用が好気的条件でも認められる.土壌中の酸収支を評価する場合,土壌水の浸透速度や土壌呼吸,植物根の影響を考慮する必要がある.
河川を取水源とする水田灌漑用51農業用水の酸中和能を調査した結果,酸中和能は139μeq/1〜2,135μeq/1の範囲にあり,降水の年平均pHが4に至るまでは農業用水の酸性化の危険は小さいものと考えられる.
酸性雨 光合成 指標植物 土壌 緩衝能