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[Ｃ−１．東アジアにおける酸性・酸化性物質の動態解明に関する研究]


（２）東アジアにおける大気動態解明のための航空機等を用いた観測に関する研究


��東アジア地域における酸性雨に関連する汚染質の輸送に関する研究


[研究代表者]

　

気象研究所

●佐藤純次

[気象庁　気象研究所]

　

応用気象研究部

●里村雄彦、佐々木秀孝、岡田菊夫、高橋俊二、栗田　進、木田秀次

気象衛星・観測システム研究部

●内野　修、永井智広、藤本敏文

［運輸省　船舶技術研究所］

装備部

●長田　修、山岸　進、山之内博、土屋正之


[平成２〜４年度合計予算額]

８１，５８０千円


［要旨］

　東アジア地域における硫黄酸化物の輸送過程を解明し、酸性沈着を評価するために、汚染質の乾性及び湿性沈着、変質を含む長距離輸送モデルを開発した。モデルは移流。拡散モデルとそのための気象変数を予測する気象予測モデルから構成されている。酸性沈着の問題は降水が重要な役割を占めるために、気象予測モデルの降水に関する再現性をアメダスデータを用いて検証した。東アジア地域におけるシミュレーションを実施する前に、長距離輸送モデルの検証とパラメターのチューニングを行うために排出源データ及び実測による湿性沈着量データが整備されている北アメリカにおけるシミュレーションを行った。また、サブグリッドスケールの地形による汚染質の鉛直輸送を把握し、モデルに反映するために可搬型及び航空機搭載型ライダーによる工一ロゾルの鉛直輸送観測、海洋混合層の観測等を行った。
　本研究で開発した長距離輸送モデルによって１９８５年の東アジアにおける硫黄酸化物の１年問の長距離輸送過程のシミュレーションを実施した。計算はわが国の排出源を除いて行い、近隣諸国の排出源がわが国に及ぼす酸性沈着量の寄与率を見積もった。シミュレーションの結果では国外の排出源によってわが国に沈着する硫黄酸化物の年間湿性沈着量は０．１〜０．３ｇ／ｍ2程度であった。


［キーワード］

　酸性雨、長距離輸送、数値モデル、湿性沈着