研究成果報告書 J92B0110.HTM

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[B−1.温室効果気体等の組成・濃度の時間的・空間的変動の動態解明に関する研究]

(1)産業活動起源の温暖化関連物質(CO、フロン)の挙動解明に関する研究


[研究代表者]

 

資源環境技術総合研究所

●山本 晋

[通商産業省 工業技術院 資源環境技術総合研究所]

環境影響予測部

●北林興二

広域域間環境研究室

●林 正康、蒲生 稔、田口彰一、今須良一

大気環境予測研究室

●吉門 洋、近藤裕昭、兼保直樹、村山昌平

大気環境保全部 大気計測研究室

●田中敏之

[首席研究官]

●水野建樹


[平成2〜4年度合計予算額]

93,765千円


[要旨]

 二酸化炭素の循環過程で現在特に問題となっているのは植物圏の二酸化炭素収支における定量的役割、海洋の生物活動も含めた二酸化炭素吸収能力の解明である。そのために、二酸化炭素、フロンの高精度・連続測定手法の開発を行った。その手法を用いて西表島周辺、つくば市を中心とした野外観測により上記微量物資の挙動を調べた。CO2の正味としての吸収量は日中は日射量にほぼ比例して変化し、西表島で晴天時日中2−4g/(m2・hr)程度であり、曇天時、早朝、夕刻で1g/(m2・hr)程度以下となっている。従って、晴天時日中の西表島全体の一時間当り吸収量はこれに面積を乗じて、400−800トン(CO2換算)ということになる。これに対して、つくば市の松林内の測定では日中1.5−2.5g/(m2・hr)程度と西表島の70%程度となっている。又、夜間のCO2放出量は0.3−0.4g/(m2・hr)程度である。しかし、データがまだ断片的、事例的であり、今後は緯度・林種・場所を変えた観測、さらには通年観測を通してデータを集積し、代表的な環境・生態条件下において二酸化炭素収支を定式化する必要がある。


[キーワード]

二酸化炭素、温室効果気体発生源、循環モデル、植物圏、炭素収支