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[研究代表者] |
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財団法人海洋生物環境研究所 |
●山本正之 |
[環境庁 国立環境研究所] |
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(委託先)財団法人海洋生物環境研究所 実証試験場 |
●山本正之、馬場将輔、辻 雅明 |
14,053千円
海藻類には紫外線吸収物質が含まれていることが知られており、環境紫外線に対する防御に関わっていると考えられている。ここでは、数種の紅藻類の天然藻体と培養藻体を用いて、これらに含まれる紫外線吸収物質を測定した。また、環境紫外線の強度が増した場合の実態を検討するため、人工光源からのUV−B照射を伴う培養実験を実施した。紅藻類のエタノール抽出物では、通常、紫外線吸収スペクトルに2つの極大が認められ、紫外線吸収物質の存在を示していると考えられた。しかし、用いた紅藻類のうち数種では、2つの吸収極大の一方、あるいは双方を欠くものがあった。UV−B照射の影響が現れる場合、それは、成長速度の低下、細胞の脱色あるいは枯死、光合成色素の減少、紫外線吸収物質の増加のいずれか、あるいはいくつかの組み合わせで認められた。しかし、紫外線に対する紅藻類の反応には、種によって差異がみられた。これらの事から、種ごとの紫外線に対する耐性、あるいは馴応能力の差異と、紫外線吸収物質との関係を検討しなければならないと考えられた。
海藻、UV−B、成長、光合成色素、紫外線吸収物質