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[キーワード]モータリゼーション、バイオ燃料、アジア、持続可能性、需要推計

[RF-078 アジアにおけるバイオ燃料の持続的需給システムの構築に関する研究]

(1)アジア各国の需要動向と持続可能な需要システムの構築に関する研究[PDF](828KB)

  財団法人日本自動車研究所
  総合企画研究部


紀伊 雅敦(平成19年度)

  財団法人地球環境産業技術研究機構
  システム研究グループ


紀伊 雅敦(平成20年度)

  [平成19~20年度合計予算額] 880千円(うち、平成20年度予算額 393千円)

[要旨]

  近年アジア地域では経済成長に伴いモータリゼーションが始まりつつある。多くの国で、自動車用燃料需要が急増し、エネルギーの海外依存を深めている。この状況の下で、アジア諸国のバイオ燃料政策は、国内農業対策と共に、エネルギー自給率の向上といった安全保障対策の側面を持っている。一方、わが国がアジア諸国のバイオ燃料政策に関与する戦略的意義は、日本のエネルギー資源確保とCO2排出削減にあると考えられる。資源確保の可能性を判断するには各国の将来にわたるバイオ燃料の需給バランス、およびその持続可能性の見通しが不可欠である。
  持続可能性評価には将来にわたる費用と便益の発生状況を推計することが求められる。費用にはエネルギー価格が大きく影響するが、それを確定的に予測することは不可能であり、むしろ想定しうる複数のシナリオに基づき評価することが必要と考えられる。
  本研究では、その前提条件としてアジア各国の燃料需要をモデル化し、それを用いて2050年までのエネルギー需要を推計する。その結果、平均所得と保有の関係から推計すると、自動車保有台数及びエネルギー需要は既往研究の推計結果と比較して低くとどまるものの、それでもなお現状に比べて需要は大幅に増加することを明らかにした。
  また、エネルギー価格、CO2削減コストのもとで、バイオ燃料の導入率を算定するモデルを作成した。これにより、価格が変化する場合のバイオ燃料需要の推計を可能とした。この結果はサブテーマ(5)の需給システムの成立可能性評価において用いられる。