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[キーワード] 景観史、ジオアーケオロジー、環礁州島、マジュロ環礁、ピット耕地

[B-15 環礁州島からなる島嶼国の持続可能な国土の維持に関する研究 ]

(2)環礁州島の人間居住-自然環境の相互作用に関する研究

2) 環礁州島における人間居住に関する研究[PDF](1,196KB)

  慶應義塾大学文学部 民族考古学研究室 

山口 徹

<研究協力者>

 

  お茶の水大学 人間文化創成科学研究科 

山口 徹

  日本歯科大学 歯学部 

吉田 俊爾

  早稲田大学大学院 文学研究科 

黒崎 岳大

  [平成15~19年度合計予算額] 14,098千円(うち、平成19年度予算額 3,000千円)

[要旨]

  環境問題への対応に文理融合型の研究は必須である。地球温暖化問題は南太平洋に急速な海面上昇と気候変動を引き起こすが、その営力がおよぼす島嶼への物理的影響を評価するとともに、資源利用や社会編成にかかわる伝統的知識について把握し、その現在的有効性を検討するための学際的研究が島嶼社会の実効的保全策の基礎となる。この点において、自然と人間の長期的・累積的な関係史をテーマとしてきた歴史生態学的視点は自然科学と人文社会科学を連接し、現在的な政策決定や教育現場においてその成果を活用しうる歴史科学として近年注目されている。
  本課題はこれら新しい視点に立脚し、現在みる当初景観を絡み合う人と自然の歴史的産物と位置づけ、その形成史の再構成を目的としてきた。それは、これまで二分されがちだった「自然史と人類居住史」ならびに「過去と現在」を連接する歴史学であると同時に、地球温暖化など現在的課題に対して歴史学が寄与しうる可能性を探る作業でもあった。具体的な研究フィールドとして東ミクロネシアの東縁に位置するマーシャル諸島マジュロ環礁を選び、現地島民とともにジオアーケオロジー的調査を実施し、地形発達史の成果を加味しながら、特にピット耕地の景観史を再構成した。