[キーワード](地球)温暖化、汚染者負担原則、原因者負担原則、総量規制、応能負担
[H-7 中長期的な地球温暖化防止の国際制度を規律する法原則に関する研究]
(2)主要国における地球温暖化防止に関連する法原則に関する研究[PDF](840KB)
早稲田大学 |
大塚 直 |
立教大学 |
淡路剛久 |
国際基督教大学 |
稲 正樹 |
東海大学 |
桑原勇進 |
首都大学東京 |
奥 真美 |
財団法人地球環境戦略研究機関 |
渡邉理絵 |
<研究協力者> |
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早稲田大学 |
赤渕芳宏 |
愛媛大学 |
伊藤 浩 |
[平成16~18年度合計予算額] 41,050千円(うち、平成18年度予算額 11,570千円)
[要旨]
温暖化防止の国際制度を検討するに当たり、国際環境法上の諸原則が重要であることは(1)の検討で触れられているとおりであるが、その上で、さらに、条約の解釈権が国際法では最終的に各国に委ねられていることや、環境法上の一般原則については、国際法から国内法への影響があると同時に、国際交渉等において、国内法から国際法への影響も事実上存在することから、主要国の環境法上の原則について研究することは重要である。
主要国の環境法上の原則をみると、ヨーロッパにおいては、環境法上の基本原則に対する志向が強く、近時の展開が著しく、わが国も、OECDの影響から、基本原則の中でも特に汚染者負担原則については強い志向がみられるのに対し、アメリカでは、汚染者負担原則についても、土壌汚染など個別の法律に適用されているものの、環境法を基本原則から捉える志向が乏しく、これがすべての環境問題に及ぶ問題としては必ずしも捉えられていない。他方、中国は原因者負担原則については政府文書にもみられるところであり、国内ではかなり活用されているとみられる。
このように、特に、汚染者負担原則は国際条約上用いられる場合はあるものの確立しているとは言いがたい一方、ヨーロッパやわが国の環境法制では確立していると見られ、アメリカにおいてもその傾向はないわけではない。さらに、途上国の中でも中国などでは確立の過程にあるとみることができる。