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[D―3 グローバル水循環系のリン・窒素負荷増大とシリカ減少による海洋環境変質に関する研究]

(2)陸水域のシリカシンクに関する研究

��集水域におけるリン・窒素負荷とシリカシンクのモデル化

国立大学法人 岡山大学大学院 環境学研究科

大久保賢治

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 7,575千円
 (うち、平成16年度予算額 2,524千円)

[要旨]

 BYS水系シリカシンクの簡略なモデル化のため、現今DIP、DSi分布を1950年代測定値と
比較した。高度成長の影響によりDIPはなお緩く減少しているがDSiは50年代と大差ない。琵琶湖
集水域は南湖や野洲川近隣のDSiが高く、流量で重みづけた平均DSi濃度178μpM、瀬田川流出水
年平均値33μMと実に流入DSiの80%が沈降除去され、湖岸のアシ、湖水の珪藻やそのデトリタスに
蓄えられる。1979-2000年の県資料では湖水DIPとクロロフィルは減少、DSiは窒素とともに増加した。
後者はシリカシンクを意味し一因として80年代の稲作機械化(稲ワラ鋤きこみ)が考えられた。DSiは
アシや稲ワラから溶出、その率は低温・酸性で低く、高温・塩基性で高くなることが実験で示された。
以上を考慮し琵琶湖流出河川のDSiと放流量を与え流域の水文・水理過程と季節変化を表す総観
モデル及び表面・地下水質が河川水に反映されるタンクモデルに表した。前者は位数則・レジム則・
抵抗則及びキルヒホッフ則で流域水収支を考慮し解析解・実験・経験式を援用して熱、懸濁・溶存物
収支を月単位で計算し、後者は日雨量を与え表面・基底流出比によって水質が形成されるとして
DSiなど濃度を予測する。3段タンクモデルをBYS水系4次以上の流域に適用し、1991年流況比較
で流出解析パラメターを検討し水質解析は家庭・水田の排水効果を考えた。その結果、モデル計算
は概ね観測値変動範囲を再現した。モデルはDSiの起源として風化土壌のほか、シリカ肥料、稲ワラ
からの溶出も考え、それらが表面・中間及び基底流出の各経路から河道に流出することが表現された。
淀川下流部のDSi変動は2002年寡雨、2003年多雨、2004年は台風で特徴づけられる降雨特性で
変化し、琵琶湖シンクがある宇治川と高DSiの木津川・桂川流量比で決まることが確認された。

[キーワード]

 琵琶湖、シリカフラックス、水田、流域モデル、タンクモデル