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[D―3 グローバル水循環系のリン・窒素負荷増大とシリカ減少による海洋環境変質に関する研究]

(2)陸水城のシリカシンクに関する研究

�_論遏Ω仂造砲�けるシリカ循環の生物地球化学過程に関する研究

滋賀県立大学環境科学部 環境生態学科

三田村緒佐武・丸尾雅啓・後藤直成

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 12,719千円
 (うち、平成16年度予算額 4,002千円)

[要旨]

 陸水域の停滞水域における溶存シリカ減少過程の詳細を把握するため、琵琶湖を停滞水域の仮想的大
ダム湖と想定し、主に生物的要因による溶存シリカの変動過程を調査・評価した。平成14年度においては、琵
琶湖とその集水域における溶存シリカの分布とその変動について調査し、その結果、琵琶湖のような水滞留時間
が長く、水深の大きな水域はシリカシンクの場として大きく作用していることが明らかとなった。また、各河川
の溶存シリカ濃度は各河川の集水域地質に主に依存すること、そして、増水時(降雨時)における1フラッシュ
によって平水時の数倍から数十倍に相当する溶存シリカの負荷があることが示された。平成15年度においては、
琵琶湖とその集水域における各態ケイ素の分布を調査した。その結果、全ケイ素の大部分(74〜96%)は溶存シ
リカとして存在しており、生物態ケイ素、コロイド態ケイ素、鉱物態ケイ素は全ケイ素の数%から数十%の範囲
にあることが明らかとなった。生物態ケイ素とコロイド態ケイ素は琵琶湖表層(30m以浅)においてその濃度が
高くなっていたことから、琵琶湖に流入した溶存シリカは、主に、浮遊珪藻によって取り込まれ、生物態ケイ素
となり、その後、沈降過程における珪藻被殻の分解により、コロイド態ケイ素を経て、再び溶存シリカへと回帰
するものと考えられる。また、一部の生物態ケイ素は完全に分解されることなく湖底へと沈殿・堆積しており、
琵琶湖湖底堆積物中に多量の生物態ケイ素が存在していることが明らかとなった。平成16年度においては、琵
琶湖における生物態ケイ素を中心とした沈降粒子の動態を評価した。その結果、循環期は、比較的珪藻類が優占
する季節であり、生物態ケイ素が大きく分解を受ける前にすみやかに表層から深層へと沈降するため、湖水中か
らの溶存シリカ除去作用が大きくなる時期であると考えられる。以上のことから、琵琶湖におけるシリカシンク
の規模は、主に、湖内の生物作用、つまり、珪藻による溶存ケイ素の取り込み、そして珪藻被殻の湖底への沈降・
堆積の程度によって決まると考えられる。

[キーワード]

琵琶湖、集水域河川、溶存態ケイ素、生物態ケイ素、沈降粒子