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[D―1 陸域由来の環境負荷変動に対する東シナ海の物質循環応答に関する研究]
(1)長江河口・東シナ海陸棚域へ供給される環境負荷物質の海洋生態系を介した循環に関する研究
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独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所
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東シナ海海洋環境部生物環境研究室
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岡村和麿・清本容子
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〈研究協力者〉
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九州大学応用力学研究所 海洋大気力学部門 海洋循環力学分野
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松野 健
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[平成14〜16年度合計予算額]
平成l4〜16年度合計予算額 22,455千円
(うち、平成16年度予算額 7,391千円)
[要旨]
長江から供給される陸起源物質の東シナ海陸棚域における輸送過程と利用形態について検討し
た。夏季の東シナ海陸棚域では、長江希釈水を含む中国大陸沿岸水の影響で水温・塩分の顕著な
躍層が形成され、躍層上層の長江希釈水には比較的高いクロロフィルa濃度が観測された。長江
希釈水中にはDINは豊富にあるがDIPは枯渇することから、豊富なDINと生体より生ずる有機態栄養
塩等を利用した生産サイクルの存在が示唆された。一方、躍層下にはDIN、DIPの豊富な東シナ海
大陸棚底層(冷)水があり、陸棚中央に位置する黄海底層冷水の配置の影響を受けながら、高濃
度のクロロフィル亜表層極大が中国大陸沿岸水と接する躍層付近に形成される。このように長江
希釈水を含む中国大陸沿岸水は東シナ海陸棚域において、栄養塩、さらには植物プランクトンの
輸送担体として生物生産に重要な役割を果たすとともに、それらが外洋域にも影響を及ぼすこと
が推察された。長江由来の土砂は夏季に河口域に堆積する。陸棚域海底付近の懸濁粒子の有機炭
素安定同位体比(δ13C)は、夏季に高く秋季に低いことから、秋季の陸棚域では陸起源粒子の影響
が推察された。特に秋季の東シナ海外部陸棚域の海底付近では、懸濁粒子のδ13Cが長江由来陸起源
粒子のそれに匹敵するほど低く、現場堆積物にその供給源が無いことから、秋季における長江由
来陸起源粒子の陸棚上の輸送が示唆された。
[キーワード]
東シナ海、長江、水塊、粒子、安定同位体比