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[B―54 アジア太平洋地域統合モデル(AIM)を基礎とした気候・経済発展統合政策の評価手法に関する途上国等共同研究]

(4)新排出シナリオに基づく新しい気候変動シナリオの推計に関する研究

気象庁気象研究所

 

 

  気候研究部

部長

野田 彰

 

第四研究室

楠 昌司・行本 誠史・
内山 貴雄

  環境・応用気象研究部

第二研究室

千葉 長

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 49,631千円
 (うち、平成16年度予算額 9,693千円)

[要旨]

  比較的簡単なシナリオにおける実験結果を比較し、硫酸エーロゾルの地球温暖化に及ぼ
す影響について評価した。硫酸エーロゾルの濃度とその放射強制力は非一様性の強い分布をして
いるが、エーロゾルの地球温暖化に及ぼす影響は局在化せず、むしろ地球規模の温暖化パターン
全体を弱める効果が最も卓越する。他の研究機関の気候モデルの結果との正確な比較を行うため、
成層圏の効果を取り入れた放射強制力の計算を行った。1990年における産業革命以降の放射強制
力の変化は、従来の方法では2.4W/屐∪層圏の効果を取り入れた方法では2.2W/屬鳩彁擦気譴拭
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第四次評価報告書(AR4)に向けて、硫酸エーロゾルの濃度
シナリオを二酸化硫黄の排出シナリオから作成した。IPCCの第三次評価報告書(TAR)1)で公開され
た大気中のエーロゾル濃度のA2、B2シナリオの大気中積分値と今回の計算結果との比較から、エ
ーロゾル濃度の計算結果では大気化学輸送モデルの依存性がかなり大きいことが分かった。この
エーロゾル濃度シナリオを用いて6つのSRESシナリオ2)に対して温暖化予測実験を行った。
1961-1990の平均に対する2071-2100年の昇温量は、A1B、A1T、A1FI、A2、B1、B2の各シナリ
オに対してそれぞれ2.4℃、2.1℃、3.2℃、2.7℃、1.7℃、2.0℃となった。海氷の減少、海面
水位の増加などは、大気中の二酸化炭素の濃度を固定した後もまだ変化し続ける結果が示
された。本サブ課題によって得られたシナリオ実験の結果は、IPCCを通じて地球温暖化評
価研究者に提供されている。

[キーワード]

 IPCC、SRESシナリオ、地球温暖化、エーロゾル、放射強制力