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(3.40MB)

[B―54 アジア太平洋地域統合モデル(AIM)を基礎とした気候・経済発展統合政策の評価手法に関する途上国等共同研究]

(3)政策シナリオおよび国際比較に関する研究

独立行政法人国立環境研究所

 

 

  社会環境システム研究領域

統合評価モデル研究室

甲斐沼美紀子・増井利彦・
藤野純一

 

前領域長

森田恒幸

 

領域長

原沢英夫

 

環境計画研究室

高橋潔・肱岡靖明

 

環境経済研究室

日引聡

(社)システム総合研究所

 

椹木義一

(財)環境研究センター

 

田井慎吾

     

 〈研究協力者〉

 

 

     (独)国立環境研究所社会環境システム研究領域

花岡達也

      国際応用システム分析研究所

Nebojsa Nakicenovic, Marek Makowski

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 152,725千円
 (うち、平成16年度予算額 27,314千円)

[要旨]

  本研究では、IPCCで議論されているSRESシナリオおよび気候安定化シナリオ、ミレニア
ム・エコシステム・アセスメントで提案されている生態系シナリオ、ACROPOLIS(Assessing Climate
Response Options: POLIcy Simulations)で検討されているエネルギー政策シナリオを検討すると
ともに、アジア太平洋地域への温暖化の影響を評価した。将来の気候変化の程度の見積もりには、
温室効果ガス排出量の見込みに関する不確実性が含まれるが、これには、排出の推計手法に起因
する不確実性に加え、人間が今後どのような社会・経済・科学技術等の発展の道筋を選択してい
くかに大きく依存する。そこで、シナリオにより、将来に起こりえそうな社会経済の様態を綱羅
的に取り扱い、シナリオに基づいたモデル解析によって、将来起こりうる社会像の道筋を定量的
に示す。本研究では、まず、SRESによる対策なしのシナリオに加え、二酸化炭素濃度の安定化と
いう条件を与えた対策シナリオ(Post-SRESシナリオ)を作成し、世界の9つのチームとその結果
について比較・分析を行った。また、IPCC第四次評価報告書の作成に貢献するために、第三次評
価報告書以降の排出シナリオの世界中の研究者による研究成果を収集し、温室効果ガス排出シナ
リオデータベースを更新した。また、アジア地域を対象として、人口、GDPなどの駆動力やエネル
ギー消費量、環境影響などについて推計し、その結果をUNEP/GEO3に提供した。さらに、アジア地
域の対策時におけるエネルギー供給技術のシナリオを検討するとともに、簡易気候モデルを用い
て様々なシナリオ下における気候変動とその影響を定量化した。また、EMF(Energy Modeling
Forum)、ACROPOLISなどのモデル比較プロジェクトを通じてモデルを検証した。EMFでは気候安定
化制約を課したときのCO2以外の温室効果ガスを含めたマルチガスへの対策について、経済モデル
による削減潜在性と経済影響に関する検討を行った。ACROPOLISでは最終需要モデルを用いてエネ
ルギー効率の改善や地球温暖化対策と地域環境対策の統合政策の影響などについて検討した。


[キーワード]

 地球温暖化、排出シナリオ、国際比較、気候安定化、温暖化対策技術