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[B-11地球温暖化による高山・森林・農地生態系の影響、適応、脆弱性の評価に関する研究]

(3)自然林・人工林の脆弱性評価と適応策に関する研究

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独立行政法人森林総合研究所

 

 

  立地環境研究領域

環境モニタリングチーム

池田 重人

  東北支所

森林修復チーム

杉田 久志

  関西支所

森林環境研究グループ

小南 裕志

  九州支所

山地防災研究グループ

大丸 裕武

東北大学大学院工学研究科

 

風間 聡

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 23,066千円
 (うち、平成16年度予算額 6,666千円)

[要旨]

  積雪推定精度の向上のため、気象、衛星、数値地図情報により日単位積雪分布を推定し
た。積雪水量モデルから推定される積雪分布と人工衛星画像から作成した積雪マップの比較によ
り最適な融雪係数を決定し、積雪量を日本全域で推定した結果、積雪水量の分布については十分
な精度で推定が可能となった。また、積雪量の分布と環境変動に伴う積雪量の変化を推定するた
めに、アメダスデータを用いて日積雪水量の変化を1kmメッシュで推定するモデルを作成した。こ
のモデルに気候変動シナリオに基づく気象要素の変化を導入して積雪変動を推定した結果、本州
日本海側の平野部で積雪量、積雪期間ともに減少が著しく、積雪期間は2℃の温度上昇で60〜70%
程度減少するという結果が得られた。植生と積雪の関係では、積雪環境変化が亜高山帯針葉樹林
の更新に及ぼす影響を評価するために、積雪環境がもたらす針葉樹の更新阻害について検討した。
多雪な山ほど地表での針葉樹の定着が阻害される傾向があり、コメツガの方がアオモリトドマツ
よりも少雪の段階で定着阻害が顕在化し、積雪被覆による地表面温度の違いが菌の活性を通して
実生定着に影響していると推察した。これらの結果をふまえ、現在のアオモリトドマツ林とコメ
ツガ林の分布域の積雪環境を比較し、温暖化シナリオとメッシュ気候値をもとに現在と将来の気
候環境を推定した結果、2081〜2100年には奥羽山地や北上山地で積雪深の顕著な減少が予想され、
多雪山地で優占し北海道に分布しないアオモリトドマツは分布域が著しく縮小すると予想した。
アオモリトドマツの分布の消失を論じるには、積雪の不均一性をもたらす冬季季節風の変動を考
慮した解析が今後必要である。温暖化の影響に対する適応策の可能性を探るために、八幡平地域
において表層試料の花粉分析を多点で行い、アオモリトドマツが分布拡大する基点となった場所
を検討した結果、1000年前にすでにアオモリトドマツが定着していたのは、この地域北部の湿原
周辺などであった。また、こうしたアオモリトドマツ分布拡大の時期は積雪が少ない北上山地で
も奥羽山脈と同様であった。

[キーワード]

 寒温帯植生、積雪変動、植生変化、脆弱性、影響予測