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[B-11地球温暖化による高山・森林・農地生態系の影響、適応、脆弱性の評価に関する研究]

(1)自然、人工生態系の総合影響予測と適応策の総合評価に関する研究

独立行政法人国立環境研究所

 

 

  社会環境システム研究領域

 

原沢 英夫

筑波大学生物科学系

 

福島 武彦

東京大学大学院

 

大政 謙次・清水 庸

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 38,646千円
 (うち、平成16年度予算額 11,437千円)

[要旨]

  本研究は、(1)生態系の影響評価のための気候シナリオの高度化、(2)自然生態系への影
響評価手法の高度化、及び(3)生態系への影響低減のための適応策の検討を進めることを目的とす
るが、加えて気候シナリオなど得られた知見を本研究プロジェクト全体で共通情報として活用す
ることも目的としている。(1)については、本研究プロジェクト開始当初は、IPCCのデータ配布セ
ンターが提供している気候モデルの将来予測の結果を主として利用したが、後に気象庁・気象研
究所が開発した気候統一シナリオ(地域気候モデルによる日本域20kmの現状と将来気候値)が影
響研究に利用できるようになった。この気候統一シナリオは、総合科学技術会議が推進する地球
温暖化研究イニシャティブの一環として気象庁・気象研究所が、影響・リスク研究プログラムに
おける利用を前提に開発、作成されたものであり、本研究プロジェクトでは、この気候統一シナ
リオも共通シナリオの一つとして利用を図ることとしたが、あわせて本シナリオのもつ特性も検
討した。また積雪シナリオについては、日単位の気候データを用いることにより、積雪深だけで
はなく積雪開始や消雪時期などの積雪期間の予測が可能となる方法を考案した。(2)に関しては、
温暖化の日本の自然・入工生態系への影響を植生帯の変化影響として捉え、予測するモデルを開
発した。このモデルは既開発の生物地理モデル(BIOME3/Japanモデル)をもとに、生物地球化学的
な要素を取り込んだ、より総合的な植生帯の変化を予測モデルである。(3)に関しては、温暖化の
生態系への影響を低減する適応策については、利用できる方法が社会システムにおける適応策に
比べると限定されるが、従来の自然保護や身近な自然を守る手法は適応策としても活用できるこ
とから、より広く知見を収集するとともに、本研究プロジェクトの各サブ課題で得られた適応の
知見も含めて、検討した。

[キーワード]

 脆弱性評価、気候シナリオ、総合化手法、生態系モデル、適応策