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[B-8有機エアロゾルの地域規模・地球規模の気候影響に関する研究]

(1)有機エアロゾルの輸送と放射強制力に関する研究

  海洋上の有機エアロゾルに対する人間活動の影響およびその放射強制力の評価

独立行政法人産業技術総合研究所

 

 

  環境管理研究部門 地球環境評価研究グループ

 

兼保 直樹・古賀 聖治

東京農工大学 農学部

 

高田 秀重

 〈研究協力者〉

 

 

東京薬科大学生命科学部

 

熊田 英峰

[平成14〜16年度合計予算額]

 平成l4〜16年度合計予算額 14,555千円
 (うち、平成16年度予算額 4,655千円)

[要旨]

  小笠原父島等の島喰および富士山頂において長期に観測を行い、人間活動の影響を受け
たアジア大陸起源の大気エアロゾルの長距離輸送の状況、その光学的特性を支配する有機エアロ
ゾルおよび黒色炭素粒子の挙動およびその発生源を解析した。父島における観測から、海洋境界
層内における汚染物質の長距離輸送の特徴である間欠的輸送が捉えられ、富士山頂で観測された
自由対流圏における輸送と比較して顕著な季節性を示した。父島において大陸性汚染気団中で測
定されたエアロゾルの複素屈折率虚数部は、WMOWCP-55エアロゾルモデルでContinentalTypeと
して採用されているO.Olとの比較でやや大きい吸収性(〜0.013)が導かれた。光学式パーティクルカ
ウンタによる長期観測結果から、大陸性汚染気団と海洋性清浄気団の典型的な粒径分布が得られ
た。また、広域輸送モデルにより、父島に到達したBCの濃度が高い気塊の発生源地域は、中国南
部を起源とする場合が多いことが示された。父島でフィルターサンプリングされた有機エアロゾ
ルの分析結果より、多環芳香族炭化水素類の各物質濃度の季節変化から、父島に到達した燃焼起
源アロゾルには冬季の石炭燃焼等産業起源系のもの、および夏季のバイオマス燃焼系のものの寄
与が示唆された。夏季のバイオマス燃焼系の有機エアロゾルは、濃度レベル自体は低いものの、
滞留時間の長さから、やはり長距離輸送されたものであることがわかった。父島における海洋境
界層内エアロゾルの光学特性および鉛直分布を詳細にとらえるため、冬季に短期集中観測を実施
した。これより、寒冷前線通過時の散乱係数および吸収係数の急増、その際のエアロゾルの鉛直
分布、測定値の湿度補正係数等、今後の放射伝達計算に必要なパラメータをほぼセットとして揃
えることができた。

[キーワード]

 光学的特性、放射強制力、黒色炭素、多環芳香族炭化水素、季節変化