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独立行政法人国立環境研究所 |
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生物多様性の減少機構の解明と保全プロジェクトグループ |
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侵入生物研究チーム |
五箇公一 |
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生物個体群研究チーム |
高村健二・永田尚志 |
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東京大学 |
鷲谷いづみ |
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九州大学 |
江口和洋 |
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琉球大学 |
太田英利 |
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岐阜経済大学 |
森 誠一 |
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長野県自然保護研究所 |
北野 聡 |
平成13〜15年度合計予算額 118,575千円
(うち、平成15年度予算額 40,441千円)
※上記の予算額には間接経費9,484千円を含む
今後生態影響が拡大すると予測される代表的な侵入種について在来生物相に及ぼす影響を競合・捕食、遺伝
子浸透、寄生生物の持ち込みおよび環境改変の各要因に分けて解析した。野外における侵入種および在来種の分布を
時間的・空間的に把握し、分布規定要因および種間相互作用を検証した。また、侵入種と在来種の交雑の実態を分子
遺伝学的手法(DNA変異など)を用いて解明した。さらに侵入種による寄生生物の持ち込み状況や環境改変による在来
種分布域への影響を調べた。これらの調査結果から、侵入種は生態的ニッチェが近似する在来種に対して強い攻撃性
を示すなど直接的な排除の影響だけでなく、生態ニッチェの重なりが天敵の攻撃率に影響して在来種の生存率の低下
を招くという間接的影響も示された。また、地理的にも系統的にも離れた侵入種と在来種間で容易に交雑が生じるこ
とが示された。外国から輸入されている商品個体にも多数の寄生生物が寄生していることが示され一部が日本の在来
種に水平感染が起こっていることが示された。侵入種が生息環境を改変し、在来種の哀退を招いている実態も示され
た。さらに侵入種の生態的特性パラメータより分布拡大モデルの構築ができた。これらの結果から、侵入種がもたら
す生態影響はいずれも地域生態系における共進化プロセスを離脱した生物種がもたらす生物間相互作用の攪乱であり、
進化生態学および生物地理学的視点からのアプローチの重要性が示された。
生物間相互作用、競争、捕食、雑種、寄生生物