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エコ・フロンティア・フェロー |
マリック=アミン=アスラム |
環境省国立環境研究所 地球環境研究センター(当時) |
山形与志樹 |
平成12年度予算額 1,500千円
本研究では、京都議定書に規定されたCDM(クリーン開発メカニズム)が、南北間の技術移転の有効性を高めるために果たし得る役割について調査した。この研究では、成果が低く不満足なパフォーマンスの原因を明らかにするため、まず、既存の南北間の経験を基に、技術移転の問題を追及する。続いて、地球規模の気候変動問題に対処するための適切な技術移転の本質を明らかにすると同時に、技術移転の日本型モデルを開発した。これは、日本の技術移転に係わる政策決定プロセスの長所を生かすように設計されており、CDMが持つ潜在的可能性を利用するために、オランダ型戦略を参照しながら開発されたものである。
日本型モデルでは、ODA利用に関し外務省や経済産業省、環境省からなる省庁合同運営委員会を設置する。また、国際協力銀行と、将来的に炭素排出量削減の義務を負う可能性のある、あるいは炭素排出量取引市場から利益を得る可能性のある企業等の民間部門が共同出資する「技術協力基金」を設立する。このように、政府資金であるODA以外は全て民間主体の組織を活用することにより、健全な自己資本体質を維持する。このようなモデルを実現させるためには、途上国においては受け入れ環境の整備が、先進国においては気候変動を緩和するための民間部門投資と技術知識を統合する枠組みが必要である。
クリーン開発メカニズム(CDM)、技術移転、途上国、日本型モデル、基金