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[H−6 地下水利用に伴う広域的ヒ素汚染に対する地球環境保全のための環境計画に関する研究]

(5)飲料井戸などの小規模飲料水におけるヒ素除去手法の開発

��簡易および農業用装置の全国設置のプロトコール作成


東北学院大学

 工学部 環境土木工学科

石橋良信


[合計予算額]

 平成12〜14年度合計予算額 8,971千円
 (うち、平成14年度予算額 2,077千円)

[要旨]

 ヒ素は物理的処理で除去するのが一般的である、一方、環境修復にみられるように微生物のもつ能力は多様であるにもかかわらず、生物的によるヒ素除去の試みは少ない。エネルギーや技術に乏しいバングラディシュでのヒ素除去の一助として、遺伝子組換え微生物の適用しながら、細胞表層工学によるヒ素除去特性の考察とヒ素感知バイオセンサーを作製した。また、ヒ素除去のための簡易装置を普及させるには、衛生教育は重要であり、前段として衛生状況、衛生観念、風習、社会性等調査した。植物等によるヒ素吸着・吸収についても若干検討している。
 細胞表層工学による、ヒ素除去を試みた結果から、ヒ素との接触時間を二日間とした培養液の除去では、pTV+lamBに比べpTV+1amb-arsRで菌体の沈降量が多くなった。現在まで、リプレッサータンパク質が細胞表層に提示されたことによる重金属除去が試みられた例はなく、他のリプレッサータンパク質を微生物の細胞表層工学による重金属除去への応用も示唆された。
 ヒ素発光バイオセンサーに関しては、大腸菌細胞にヒ素が取り込まれる現象をリアルタイムにバイオイメージング可能なヒ素発光センサーを構築できた。3価ヒ素濃度1μg/1〜1mg/lで定量性が確認され、現在、水道試験方法で用いられるジエチルジチオカルバミン酸銀吸光光度法の定量限界と同等以上の検出感度を得ることができた。3価ヒ素と5価ヒ素の発光時間、発光量の比較では、3価ヒ素は大量にかつ5価より速く細胞内へ取り込まれ、3価ヒ素と5価ヒ素を同時に検出できる可能性を示した。また、ヒ素の膜輸送機構についての仮説を提案した。
 一方、衛生観念の認識と衛生教育の必要性がみられたが、最近は就学率も向上している。現在は支援活動が活発化しているが、依然としてコミュニティ・リーダー(地主・男性社会)の支配力は強く、この現状を打開しなければ女性の進出と社会開発は望めないと結論づけた。


[キーワード]

 細胞表層工学、新機能細胞、ヒ素発光バイオセンサー、ファイトリメディアーション、衛生教育